米フロリダ州知事 選挙活動本格化 トランプ氏批判など対決姿勢

来年秋のアメリカ大統領選挙に向けた野党・共和党の指名争いでトランプ前大統領の最大のライバルと目される南部フロリダ州のデサンティス知事が選挙活動を本格化させ、支持者を前にした演説でトランプ氏を暗に批判するなど、対決姿勢を見せています。

先週、来年秋の大統領選挙への立候補を表明したフロリダ州のデサンティス知事は今週から各地で集会を開き選挙活動を本格化させています。

このうち1日、東部ニューハンプシャー州マンチェスターで行った演説では、自身の旗印としているジェンダーや教育などをめぐる保守的な価値観を強調し、リベラルな考えや政策への反対する姿勢を鮮明にしました。

そのうえで「共和党内にある、敗北の文化をなんとかしなければならない」と述べ、前回の大統領選挙で敗れているトランプ氏を暗に批判しました。

集会に参加していた女性は「過去2回トランプ氏に投票してきましたが、トランプ氏は多くの摩擦を生んでいて、今回は政策を実現できるデサンティス氏を支持します」と話していました。

一方、共和党内の支持率でリードするトランプ氏も、デサンティス氏が前日集会を開いた中西部アイオワ州での演説でデサンティス氏を批判していて、アイオワ州やニューハンプシャー州といった指名争いに影響を与える重要な州で、各候補が活動を活発化させています。

政治資金の額もトランプ前大統領と争う

現時点で、共和党内でのトランプ前大統領の最大のライバルと目されるデサンティス知事は支持者などから集める政治資金の額でもトランプ氏と争っています。

デサンティス知事の陣営が5月24日に立候補を表明してから24時間で集めた政治資金は820万ドル、日本円にして11億円以上にのぼっています。

一方、有力紙ニューヨーク・タイムズによりますとトランプ氏が去年11月再選を目指して立候補を表明してからの最初の6週間で集めた政治資金は950万ドルで資金集めのペースはデサンティス知事の方が上回っているとしています。

このほか、調査会社「モーニング・コンサルト」が行っている世論調査では5月31日時点で、トランプ前大統領が56%だったのに対して、デサンティス氏は22%となっています。

トランプ氏が30ポイント以上リードしていますが、デサンティス氏が立候補を表明する前の5月21日時点と比べると両者の差は4ポイント縮まっています。

米メディア “ペンス前副大統領 来週に立候補表明か”

共和党の候補者選びを巡り、アメリカの主要メディアはマイク・ペンス前副大統領が来週、7日に立候補を表明すると報じました。

トランプ政権で副大統領を務めたペンス氏はキリスト教保守派の1つである福音派の信者で、厳格に信仰を重んじる政治家として知られ、人工妊娠中絶や同性婚に反対しています。

ペンス氏はおととしアメリカの連邦議会にトランプ氏の支持者らが乱入した事件をきっかけにトランプ氏と距離を置いていて、これまで立候補について明言はしてこなかったものの、去年11月に副大統領時代の経験を振り返る回顧録を出版するなど、活動を活発化させていました。

このほかにもメディアは東部ニュージャージー州のクリス・クリスティー前知事が、来週6日に立候補を表明すると伝えています。

トランプ前大統領の支持者 抗議活動

デサンティス知事が集会を開いた東部ニューハンプシャー州マンチェスターの会場の周辺では、トランプ前大統領の支持者ら数十人が集まり抗議活動を行いました。

デサンティス知事はトランプ氏の最大のライバルと目されていて参加した人々は「私たちはトランプ氏とともにある」などと書かれたプラカードや旗を掲げて「デサンティスを支持しない」などと抗議の声を上げていました。

抗議活動に参加していた女性の1人は「デサンティス氏は既得権益を持つ人々などから政治献金を受け取っていて信頼できません」と話していました。