モルドバで欧州の結束示す国際会議 ゼレンスキー大統領も参加

ロシアによる侵攻が続くウクライナの隣国モルドバにヨーロッパ各国の首脳が集まり、結束を示す国際会議が開かれ、ウクライナのゼレンスキー大統領も参加しました。ゼレンスキー大統領は各国に供与を求めた戦闘機について「多くの国から力強い支援の話があった」と述べました。

ロシアによる軍事侵攻が始まったあと、EU=ヨーロッパ連合の枠組みを超えて設立された「ヨーロッパ政治共同体」は1日、ウクライナの隣国モルドバで首脳会議を開き、EU加盟国のほか加盟していないバルカン半島の国々などからおよそ50人の首脳らが参加しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領も事前の予告なしに参加し、会議の冒頭で「防空システムや戦闘機の供与が早期の平和をもたらす」と述べ、各国に軍事支援の強化を求めました。

会議のあとの記者会見で、ゼレンスキー大統領は戦闘機の供与をめぐって具体的な国名などには触れなかったものの「多くの国から力強い支援の話があった。数多くの戦闘機について話があった」と述べました。

モルドバのサンドゥ大統領は「必要なかぎりウクライナに寄り添うとゼレンスキー大統領に伝えた。ヨーロッパの安定が脅威にさらされているこのときにわれわれは強さと結束を示した」と述べて、会議の意義を強調しました。

プーチン大統領の側近「モルドバの参戦促している」

ロシアのプーチン大統領の側近のひとりで、治安機関FSB=連邦保安庁のボルトニコフ長官は1日、同盟関係にあるベラルーシの治安機関などとの会合に参加しました。

そして「西側諸国は、モルドバにウクライナ紛争への参戦を積極的に促し、沿ドニエストル地方を掃討しようとしている」と述べ、欧米各国やモルドバをけん制しました。

モルドバ東部の沿ドニエストル地方は、モルドバからの一方的な分離独立を宣言し、ロシア軍が駐留するなどロシアの強い影響下にある地域で、欧米寄りのモルドバのサンドゥ政権は、ウクライナに侵攻したロシア軍が将来、沿ドニエストル地方にも侵攻してこないか、警戒を強めています。