「NFT」で売買・譲渡可能な電子書籍 提供開始へ 中古市場開拓

紙の書籍の売り上げが落ち込む中、電子書籍の中古市場の開拓につなげようと、東京の出版社などが「NFT」と呼ばれるデジタル認証技術を使って、個人で売買や譲渡ができる電子書籍の提供を始めると発表しました。

これは、東京の出版社、早川書房と電子書籍取次のメディアドゥが1日、東京都内で記者会見を開いて発表したものです。

それによりますと6月創刊予定の早川書房の新書のレーベルで、通常の紙の書籍に「NFT」と呼ばれる認証技術を使った同じ内容の電子書籍が付いた特別版が販売されるということです。

「NFT」はインターネット上のデータがコピーではなくオリジナルであることを証明できる技術です。

今回の電子書籍は、NFTを使うことで専用のアプリなどを通じて個人で売買や譲渡ができ、売買した際の売り上げの一部は著者や出版社にも分配されるということです。

出版社などでは「NFT」の技術を活用することで今後、電子書籍の中古市場を開拓したいとしています。

早川書房の山口晶事業本部長は「紙の書籍の中古市場と違って出版社や著者にも利益が分配されるうえ、これまで買って終わりだった電子書籍が中古で売れるということはユーザーにとってもメリットになり得る」と話していました。