米FRB “雇用の増加や物価の上昇ペースは緩やかに”

アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は31日、最新の経済見通しを公表し、「経済活動はほとんど変化がなかった」としたうえで雇用の増加や物価の上昇ペースは緩やかになっていると指摘しています。

全米12の地区連銀がまとめた最新の経済報告によりますと、経済活動は前回、ことし4月の時点と比べて全体としてほとんど変化がなかったと指摘しています。

このうち▽サンフランシスコやアトランタなど4つの地区では経済活動がやや増加した一方、▽6つの地区では変化がなく、▽ニューヨークとフィラデルフィアの2つの地区はやや減少したと報告しました。

また今後についてはほとんどの地区の担当者が経済活動はさらに拡大すると予想していますが、経済成長の見通しはやや引き下げたとしています。

一方、物価は緩やかに上昇したものの多くの地区で上昇率は鈍化したとしています。

また雇用情勢をめぐっては人材の確保が難しい状況が続く一方で各地区の担当者が労働市場は少し落ち着きをみせたと指摘したということです。

市場では、FRBが今月13日から2日間開く金融政策を決める会合で▽利上げを続けるのか、それとも▽一時停止するのか、見方が分かれていて、2日に発表される雇用統計など今後の経済指標が焦点となります。