58年前の新潟水俣病 被害や教訓伝える式典 8年ぶり開催

新潟水俣病の被害や教訓を伝える式典が31日、8年ぶりに新潟市で開かれました。

式典は、新潟市北区にある新潟水俣病の教訓などを伝える資料館で開かれました。

5月31日は、58年前の1965年に新潟水俣病の発生が公式に確認された日にあたります。

式典には関係する団体や花角知事などが参加し、最初に全員で黙とうをして亡くなった被害者に祈りをささげました。

新潟水俣病は、阿賀野川流域にあった昭和電工の工場排水に含まれていた有機水銀が原因で発生した公害です。

式では「新潟水俣病被害者の会」の小武節子会長があいさつし、「水俣病の歴史は、十分な対策を取らないまま幕を引こうとする政府に対して被害者が立ち上がってきた歴史だ。二度と同じ苦しみを繰り返さない社会になることを願っています」と話しました。

式典が開かれたのは発生が公式に確認されてから50年目となる2015年以来、8年ぶりで、被害者の団体は公害が忘れられないように来年以降は毎年開催するよう要望しています。

花角知事は式典のあと、「風化させず後世につないでいくため毎年の開催は重要な観点だ。関係者と相談して決めたい」と話していました。