教員採用試験 来年度は6月16日を目安に前倒しへ 文科省

教員採用試験の倍率が低下する中、文部科学省は毎年夏に行っている1次試験を来年度は6月16日を目安に前倒しするよう、都道府県などに検討を求めました。文部科学省によりますと、公立の小中学校や高校などの教員の採用倍率は昨年度、3.7倍と過去最低となっています。

文部科学省によりますと、都道府県などで行われる教員採用試験は少なくともここ20年ほど7月ごろに1次試験が行われ、4月や5月に始まる公務員試験や、6月に採用面接が始まる民間企業に先行され、受験者の減少につながっているという指摘もあります。

こうした中、文部科学省は31日開かれた、全国の教育委員会などとの協議会で考え方の方向性を示し、来年度の1次試験は6月16日を目安の「標準日」と定め、最終合格発表も含めてできるだけ前倒しすることや、年度内に複数回の試験を実施することなどの検討を求めました。

前倒しの課題として、大学4年生の春ごろに行われることが多い教育実習と時期が重なる可能性があり、文部科学省は、3年生までの間に学校現場を体験させるなど大学が柔軟な履修方法を検討することが必要だとしています。

また試験問題を早く作る必要があることから、文部科学省は6月16日に1次試験を行う都道府県などに問題文を参考として提供することにしています。

横浜市など一部の自治体ではすでに試験日程の早期化を進めていて、今後、全国で日程の前倒しが進むかどうか、注目されます。