プーチン大統領「われわれを威嚇」ウクライナによる攻撃と主張

ウクライナの首都キーウに対するロシア軍の攻撃が繰り返される中、ロシア国防省は30日、首都モスクワなどをねらった無人機による攻撃が仕掛けられたと発表しました。ロシアのプーチン大統領は「ウクライナは、われわれを威嚇する道を選んだ」と述べてウクライナによる攻撃だと主張し、対抗措置をとることを示唆しました。

ウクライナでは、ロシア軍が連日にわたって首都キーウに対する無人機やミサイルによる攻撃を繰り返し、30日も無人機による攻撃が行われました。

ウクライナ空軍は、31機のうち29機を迎撃したと発表しましたが、撃ち落とされた無人機が集合住宅に衝突して爆発するなどの被害が出て、キーウのクリチコ市長によりますと、1人が死亡、あわせて11人がけがをしたということです。

無人機が衝突した集合住宅で妻と2歳の息子とともに暮らす男性は「とても怖かった。人々が寝ているところに攻撃するなどひどい」と話していました。

こうした中、ロシアの首都モスクワや近郊でも30日、複数の無人機が飛来し、国防省は8機が攻撃を仕掛けてきたと発表しました。

いずれも撃墜したとする一方、モスクワ市長などによりますと、複数の集合住宅で被害が出て、2人がけがをしたということです。

これを受けてロシアのプーチン大統領は30日、視察先の展示会場で質問に答えるかたちで「ウクライナの政権は住宅への攻撃でロシアや国民を威嚇する道を選んだ」と述べ、具体的な根拠は示さずに、ウクライナによる攻撃だと主張しました。

そのうえで「鏡のような行動をとるようわれわれを挑発しているようだ。どう対処するかはこれからだ」と述べ、何らかの対抗措置をとることを示唆しました。

これに対してウクライナのポドリャク大統領府顧問は地元メディアに対して「興味のない出来事だ。当然われわれには直接関係がない」と述べ、関与を否定しました。