ブラジルとベネズエラの大統領が会談 制裁科すアメリカ批判

南米ベネズエラで独裁を続けるマドゥーロ大統領が8年ぶりにブラジルを訪問してルーラ大統領と会談しました。両首脳は、ベネズエラに制裁を科すアメリカを批判するとともにベネズエラの国際的な孤立の解消を目指すことで一致しました。

中国やロシアの支援を受けて反米左派の独裁政権を続けるベネズエラのマドゥーロ大統領は2015年以来、8年ぶりにブラジルを訪問し、29日首都ブラジリアでルーラ大統領と会談しました。

両国を巡ってはブラジルの前のボルソナロ政権時、ベネズエラのマドゥーロ政権とは関係が途絶えていました。

今回、会談後の記者会見で、ルーラ大統領は、マドゥーロ政権について「国民から選ばれた大統領を否定すべきではない」と述べ、関係強化を図る考えを示しました。

その上で、ルーラ大統領は「その国が気に入らないという理由で制裁を科すのは不可解だ」と述べ、ベネズエラに制裁を科すアメリカを批判しました。
また、マドゥーロ大統領もブラジル側の対応を歓迎し、「世界は迫害や制裁、ドルによる支配で成り立つべきではない」と述べ、制裁の解除を重ねて訴え、ベネズエラの国際的な孤立の解消を目指すことで一致しました。

ブラジルのルーラ大統領は30日にも南米11か国の首脳を招いた初めての会議を主催する予定で、南米各国の結束を示し、アメリカなど欧米側への発言力を高めたい考えです。