横田滋さん死去から来月で3年 妻の早紀江さん(87)が記者会見

中学1年生の時に北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの父親で、拉致被害者の家族会の初代代表を務めた横田滋さんが亡くなって来月で3年がたちます。30日に妻の早紀江さんが記者会見し、ことし体調を崩して初めて入院したことに触れ、健在なうちに娘との再会が果たせるよう政府の取り組みを強く求めました。

横田滋さんは、1997年に結成された拉致被害者の家族会の初代代表として救出活動の先頭に立ってきましたが、2020年、娘との再会を果たせないまま87歳で亡くなりました。それから来月で3年がたつのを前に妻の早紀江さんが記者会見しました。

ふだんはリビングに飾ってある滋さんの写真とともに会見に臨んだ早紀江さんは「今も毎朝、写真の前に温かいお茶を置き、滋さんに語りかけている」とした上で「『息子たちが頑張ってくれているので、必ず何かが出てくるのではないかと期待しながら私も頑張ってますよ』と、ことばをかけています」と話しました。

滋さんが亡くなった年齢と同じ、87歳になった早紀江さんは、ことし体調を崩して入院し初めて死を意識したことを明かし「年を重ねると、病気が出たり亡くなったりするのは当たり前のことです。だから『早く解決してください』と何十年も言い続けてきたんです。拉致という理不尽なことが行われているのに、どうして日本政府はもっと強く出て行かないのでしょうか」と訴えました。

1977年、中学1年生の時に北朝鮮に拉致された娘のめぐみさんは、依然安否は分からないままで、ことし11月で拉致から46年が経過します。

早紀江さんは「めぐみちゃんやほかの拉致被害者みんなに帰って来てもらわないといけません。岸田総理大臣には、キム・ジョンウン(金正恩)総書記の心に伝わるような言い方で『お互いが平和になるよう話し合いをしませんか』とメッセージを何度も出していただきたい。日本と北朝鮮が交渉をしないかぎり、お互いが目を見て話をしないかぎり、本当の心は分からないので、ぜひ早くしてほしい」と話し、日朝首脳会談の早期実現を求めました。