電波オークション 6GHz超の周波数帯で導入促す 有識者会議

高速・大容量の通信規格5Gの利用拡大に向けて、総務省の有識者会議は30日、これまで利用が進んでいない周波数帯で、オークション制度の導入を促す報告書案を公表しました。

電波オークションは、競争入札で高い価格を提示した事業者に周波数を割り当てる制度で、アメリカなど海外では実施されていますが、日本では導入されていません。

総務省の有識者会議では、高速・大容量の通信規格5Gの利用拡大につなげようと、オークション制度の導入に関する議論を進めていて、30日、報告書案を示しました。

この中では、携帯電話のプラチナバンドなどと比べ電波が届く距離が短い、6GHzを超える高い周波数帯を対象に、オークション制度の導入に向けて具体的な検討を進めていくことが盛り込まれました。

この周波数帯は、これまであまり利用が進んできませんでしたが、狭い範囲で大容量のデータを届けられる特徴を生かし、農業などの分野で活用することを想定しています。

また、周波数を細かい地域ごとに割り当てることなどで、新規事業者の参入を促したい考えです。

オークションによって得られた収入は、電波の有効活用に向けて、技術革新につながる施策などに充てていくべきだと指摘しています。

今後は、パブリックコメントの手続きを経たうえで、この夏をめどに総務省への提言が取りまとめられる見通しです。