政府 熱中症による死者「2030年までに半減」来月から取り組み

政府は2030年までに熱中症による死亡者数を現状から半減させることを目標とする実行計画を30日、閣議決定し、来月から具体的な取り組みを進め、この夏からの熱中症対策を強化します。

熱中症で死亡する人があとを絶たない中、政府は熱中症対策を強化する改正法に基づき、現在5年ごとの平均で年間1000人を上回っている熱中症による死亡者数を2030年までに半減させることを目標として、各省庁が今後5年間に取り組む具体的な実行計画を30日、閣議決定しました。

計画では高齢者への対策として適切なエアコン利用の周知徹底や、福祉関係の団体などに見守りの協力を求めるほか、教育現場などでは教室や体育館へのエアコンの設置の支援や、幼稚園などの送迎用バスでの車内への置き去り防止に取り組みます。

さらに、災害級の極端な高温に備え「熱中症弱者」とされる高齢者や障害者などのうち特に公的な支援が必要な人の所在や安否確認の方法を検討するとしています。

政府は、来月1日から実行計画に基づいて各省庁がこの夏からの熱中症対策を強化します。

西村環境大臣は閣議後の会見で「ことしもすでに猛暑日を記録するなど熱中症対策は急務だ。近年、熱中症死亡者数が1000人を超える年が頻発しこれまで以上に高い目標を設定した。目標達成に向けて対策を推進していきたい」と述べました。