“異常なたんぱく質 血液から検出する方法開発” 順天堂大など

パーキンソン病や一部の認知症の患者の脳などにたまる異常なたんぱく質を、血液から検出する方法を開発したと順天堂大学などのグループが発表しました。簡単で負担の少ない診断方法につながるとしています。

この研究は、順天堂大学の服部信孝教授らのグループが国際的な医学雑誌「ネイチャー・メディシン」に発表しました。

パーキンソン病や「レビー小体型」と呼ばれる認知症などでは「αシヌクレイン」という異常なたんぱく質が脳や体にたまることが知られていて、血液から検出できると早期診断につながると考えられていますが、確実に検出するのは難しいのが課題でした。

そこで、研究グループは抗体を使って血液中の異常なたんぱく質を集めたうえで、増幅させて検出する新たな方法を開発しました。

実際に調べたところ、健康な人や別の病気の患者では異常なたんぱく質が検出されたのは10%未満だった一方、パーキンソン病とレビー小体型認知症の患者では90%以上で、血液からこうした病気を見つけられると確認できたとしています。

また、検出されたたんぱく質は、病気の種類によって構造などが異なっていて、簡単で負担の少ない診断方法や、病気の仕組みの解明などにつながるとしています。
服部教授は「今は症状をもとに診断しているが、血液で見分けられれば、将来的には症状が出る前から治療を始められる」と話しています。