自殺で子ども亡くした遺族“原因究明し再発防止を” 国に要望

去年1年間にみずから命を絶った児童や生徒が過去最多となる中、子どもを亡くした遺族が国に対し、一つ一つの原因を究明して再発防止につなげるための体制の整備を要望しました。

要望したのは、自殺で子どもを失い、不適切な指導があったとして再発防止を求めてきた遺族たちです。

29日、こども家庭庁と文部科学省に要望書を提出し、会見を開きました。

去年1年間、自殺した児童と生徒は過去最多の514人となり、国はこども家庭庁を中心に関係省庁による会議を開いて対策を検討しています。

こうした中、遺族たちは「国の自殺の調査では毎年6割程度が原因不明とされ、実態把握が十分にされていない」として、
▽多面的に情報収集して原因を究明することや、
▽迅速性や中立性、客観性、それに透明性が保たれた第三者調査の体制を整備し、再発防止につなげていくことなどを要望しています。

6年前、当時13歳の息子が厳しい指導を受けたあとに自殺したという加藤健三さんは、「第三者に追い詰められた可能性もあるのに、当初はどの機関も調査してくれなかった。社会の仕組みとしておかしいところを直していく必要がある」と話していました。
10年前、当時16歳の弟を亡くした女性は「弟が亡くなったとき、大人たちが動いてくれると思っていたが、実際はそうではなかった。次の命を守るため、亡くなってしまった人たちの声なき声に耳を傾けてほしい」と話していました。