CO2排出抑制へ「合成燃料」10%で車走行のデモ公開 石油大手

二酸化炭素の排出を実質ゼロにできるとして実用化が期待される「合成燃料」で車を走らせるデモンストレーションが静岡県内で公開されました。

デモンストレーションは合成燃料の技術開発を進めている石油元売り大手の「ENEOS」が行い、静岡県にある富士スピードウェイ内の施設で公開されました。

合成燃料は、二酸化炭素と水素を合成して作る燃料で、既存のエンジン車でも活用できるのが特徴です。

工場などから排出された二酸化炭素で製造すれば排出量を実質ゼロにできるとして、実用化が期待されています。

デモンストレーションはトヨタ自動車の市販車を使い、燃料タンクに全体の10%の割合で合成燃料を注入しました。

ドライバーはトヨタの佐藤恒治社長らが務め、1周およそ250メートルのコースを走行しました。

走行を終えた佐藤社長は「合成燃料が10%ということもあり、通常の車の運転感覚と変わらなかった。EVをしっかり出して、脱炭素の選択肢がすべてそろった状態をなるべく早く実現しながら、合成燃料にも取り組んでいきたい」と述べました。

また、ENEOSの齊藤猛社長は「自動車メーカーの販売戦略なども考慮しながら商用化の時期を検討する。2027年という現在の目標を前倒ししていきたい」と話していました。