半導体などサプライチェーンの強化で実質妥結 IPEF閣僚級会合

日本やアメリカなどが参加する経済連携の枠組み、IPEF=インド太平洋経済枠組みの閣僚級の会合がアメリカで行われ、半導体などのサプライチェーン=供給網の分野で実質妥結しました。

IPEFは日本やアメリカ、インドなど14か国が参加する枠組みで、影響力を拡大させる中国を念頭に去年から4つの分野で交渉を行っています。

今回の閣僚級の会合には日本から西村経済産業大臣と山田外務副大臣が出席し、日本時間の28日未明に共同声明を採択して閉幕しました。

それによりますと、半導体などの重要物資の供給が感染症や紛争などで途絶えた際、参加国どうしで供給しあうなどサプライチェーンの強化に関する協定を実質妥結したということです。

また、次世代のエネルギーとして期待される水素の導入に向けた技術協力や供給網の構築などを進めるための枠組みを新たに設けることでも合意したということです。

アメリカのレモンド商務長官は記者会見で「サプライチェーンに関する国際的な協定が結ばれるのは初めてで非常に意義がある。協力関係が深まれば、ビジネス環境が改善される」と述べ、成果を強調しました。

各国は引き続き、税関手続きの電子化などに取り組む「貿易」や、脱炭素に向けて投資拡大などを進める「クリーン経済」など残る3つの分野について早期の妥結を目指して交渉を続けることにしています。

西村経産相「非常に大きな意義」

IPEF=インド太平洋経済枠組みの閣僚級会合に出席した西村経済産業大臣は、記者会見で「サプライチェーンについての多国間の協定は世界初で、何か危機が起こったときも、お互いに協力し合う枠組みを作ることになる。グローバルサウスの代表格であるインドやインドネシアも含めて強じんなサプライチェーンを作ることは非常に大きな意義がある」と述べ、実質妥結の成果を強調しました。

また、残る分野の交渉については「各国がメリットを感じられるよう、これからも日本として交渉をしっかり主導していきたい」と述べました。