ウクライナ大統領府のポドリャク顧問は26日ツイッターに「ウクライナのすべての領土が解放されないことを想定した『妥協のシナリオ』は、民主主義の敗北であり、ロシアの勝利を認めることと同じことだ」と投稿しました。
ポドリャク氏は、27日にもツイッターに、ウクライナの領土からのロシア軍の即時撤退などを挙げ「ウクライナ側の条件のみが現実的だ」と訴えました。
中国政府の特別代表が、ロシアがウクライナの領土を占領した状態での即時停戦を提案したと指摘されるなか、ロシアや中国などの動きをけん制するねらいがあるとみられます。

【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(27日の動き)
ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる27日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
ウクライナ大統領府「『妥協のシナリオ』は民主主義の敗北」
中国特別代表 ラブロフ外相と会談 米紙は懐疑的な見方伝える
ウクライナ情勢をめぐって、ヨーロッパ各国を訪問した中国政府の李輝特別代表は26日、最後の訪問国、ロシアで、ラブロフ外相らと会談しました。
中国外務省によりますと、李特別代表はウクライナ情勢をめぐって「中国はロシアを含むすべての当事者との交流と対話を強化し、政治的な解決に向けた着実な努力を行う」と強調したということです。
また、ロシア外務省も声明を発表し、一連の会談でロシアとウクライナなどに対話と停戦を呼びかけた文書に沿った中国側の取り組みを高く評価したとしています。
一方、アメリカの有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は26日欧米の当局者らの話として、ロシアの前に訪れた国々で、李特別代表は、ロシアがウクライナの領土を占領した状態での即時停戦を提案したと伝えました。
これについて欧米の当局者らは「ロシア軍がウクライナから撤退しないかぎり平和は実現しないだろう」と述べたなどとして、中国の仲介外交への懐疑的な見方が出ていると伝えています。
中国外務省によりますと、李特別代表はウクライナ情勢をめぐって「中国はロシアを含むすべての当事者との交流と対話を強化し、政治的な解決に向けた着実な努力を行う」と強調したということです。
また、ロシア外務省も声明を発表し、一連の会談でロシアとウクライナなどに対話と停戦を呼びかけた文書に沿った中国側の取り組みを高く評価したとしています。
一方、アメリカの有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は26日欧米の当局者らの話として、ロシアの前に訪れた国々で、李特別代表は、ロシアがウクライナの領土を占領した状態での即時停戦を提案したと伝えました。
これについて欧米の当局者らは「ロシア軍がウクライナから撤退しないかぎり平和は実現しないだろう」と述べたなどとして、中国の仲介外交への懐疑的な見方が出ていると伝えています。
英国防省“バフムト ワグネル一部撤退もロシア軍投入の可能性”
ウクライナ東部ドネツク州の激戦地バフムトをめぐり、イギリス国防省は27日、撤退を表明したロシアの民間軍事会社ワグネルの部隊が「バフムト周辺の一部から撤退を開始した可能性が高い」とする一方、周辺にロシア軍の空てい部隊が投入されてきた可能性が高いと指摘しました。
ワグネルからロシアの正規軍への交代が進められているとみられますが、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は26日「バフムト周辺でのウクライナ軍の反撃が成功すれば、ロシアの作戦が複雑になる可能性がある」と分析しています。
ワグネルからロシアの正規軍への交代が進められているとみられますが、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は26日「バフムト周辺でのウクライナ軍の反撃が成功すれば、ロシアの作戦が複雑になる可能性がある」と分析しています。
ウクライナ軍大規模反転攻勢“1週間以内に始まる可能性”
ウクライナ軍の大規模な反転攻勢を巡り、ウクライナの国家安全保障・国防会議のダニロフ書記は27日までにイギリスの公共放送BBCのインタビューに対し「あす、あさって、あるいは1週間以内に始まる可能性がある。歴史的な機会を逃すわけにはいかない」と述べ開始に向けて準備が整っているという認識を示しました。
また、ウクライナ軍のザルジニー総司令官は27日、SNSで兵士の動画とともに「奪還するときが来た」とするメッセージを投稿しました。
ロシアが併合を主張する南部ザポリージャ州の親ロシア派のトップ、バリツキー氏はウクライナ軍がイギリスから供与された巡航ミサイルで攻撃を続けているとしたうえで「ウクライナ軍の反転攻勢が近く始まる可能性が高い」と述べました。
ザポリージャ州では、ロシア軍が占領する都市にある軍施設で爆発が起きるなど、ウクライナ軍がすでに軍事作戦を進めているともみられていてロシア側が警戒を強めています。
また、ウクライナ軍のザルジニー総司令官は27日、SNSで兵士の動画とともに「奪還するときが来た」とするメッセージを投稿しました。
ロシアが併合を主張する南部ザポリージャ州の親ロシア派のトップ、バリツキー氏はウクライナ軍がイギリスから供与された巡航ミサイルで攻撃を続けているとしたうえで「ウクライナ軍の反転攻勢が近く始まる可能性が高い」と述べました。
ザポリージャ州では、ロシア軍が占領する都市にある軍施設で爆発が起きるなど、ウクライナ軍がすでに軍事作戦を進めているともみられていてロシア側が警戒を強めています。
滋賀に避難のウクライナ人がレストランオープン
ロシアによる軍事侵攻を受け、滋賀県彦根市に避難しているウクライナ人の女性とその家族が、故郷の文化を知ってもらおうと27日、ウクライナ料理を提供するレストランをオープンさせました。
彦根市中心部の夢京橋キャッスルロードにレストランをオープンさせたのは、ウクライナ東部のハルキウから去年3月に避難してきたイリーナ・ヤボルスカさん(52)とその家族です。
店では、ウクライナで広く食べられている伝統料理の「ボルシチ」や、ウクライナ産のハチミツを使ったケーキなどを提供していて、早速、地元の客などが訪れ、料理を楽しんでいました。
イリーナさんは、去年5月からキッチンカーで料理を提供してきましたが、避難生活が長期化するなか、生活を安定させるとともに、より多くの人に故郷の文化を知ってもらおうと、オープンを決めたということです。
多賀町から訪れた55歳の男性は「キッチンカーでも何回か食べましたが、お店だと落ち着いて食べられてよかった。早く軍事侵攻が終わってほしいです」と話していました。
イリーナさんは「料理を食べて、ウクライナの文化に少しでも興味をもってもらいたい」と話していました。
また、イリーナさんの義理の息子の菊地崇さんは「ウクライナのことをより知ってもらえるいい機会になると思っている。家族としてもバックアップしていきたい」と話していました。
彦根市中心部の夢京橋キャッスルロードにレストランをオープンさせたのは、ウクライナ東部のハルキウから去年3月に避難してきたイリーナ・ヤボルスカさん(52)とその家族です。
店では、ウクライナで広く食べられている伝統料理の「ボルシチ」や、ウクライナ産のハチミツを使ったケーキなどを提供していて、早速、地元の客などが訪れ、料理を楽しんでいました。
イリーナさんは、去年5月からキッチンカーで料理を提供してきましたが、避難生活が長期化するなか、生活を安定させるとともに、より多くの人に故郷の文化を知ってもらおうと、オープンを決めたということです。
多賀町から訪れた55歳の男性は「キッチンカーでも何回か食べましたが、お店だと落ち着いて食べられてよかった。早く軍事侵攻が終わってほしいです」と話していました。
イリーナさんは「料理を食べて、ウクライナの文化に少しでも興味をもってもらいたい」と話していました。
また、イリーナさんの義理の息子の菊地崇さんは「ウクライナのことをより知ってもらえるいい機会になると思っている。家族としてもバックアップしていきたい」と話していました。
ブラジル大統領 習主席・プーチン大統領と個別に会談
ブラジルのルーラ大統領は、中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領と、個別に電話で会談したことを自身のツイッターで明らかにしました。
このうち習主席との電話会談は24日に行われ、ウクライナの和平の必要性や、中国とブラジルの戦略的パートナーシップについて協議したとしています。
また、26日のプーチン大統領との電話会談では、ウクライナ情勢をめぐって意見が交わされ、ブラジルとしては、中国やインド、それにインドネシアとともに、ロシアとウクライナ双方と話し合う用意があると伝えたということです。
一方、ロシアのサンクトペテルブルクで来月開かれる経済フォーラムへの招待に感謝の意を示しながらも「現時点でロシアに行くことはできない」として、出席を断ったとしています。
ルーラ大統領は「グローバル・サウス」と呼ばれる新興国や途上国との関係を重視し、ウクライナの和平に向けて、中国やインドなどと新たな交渉の枠組みを作ることに意欲を示しています。
一方、先のG7広島サミットでは、記者会見したルーラ大統領がウクライナへの武器の供与を続けるアメリカのバイデン大統領を「和平について何も言及していない」と非難するなど、ロシアへの対応をめぐる欧米各国との温度差が指摘されています。
このうち習主席との電話会談は24日に行われ、ウクライナの和平の必要性や、中国とブラジルの戦略的パートナーシップについて協議したとしています。
また、26日のプーチン大統領との電話会談では、ウクライナ情勢をめぐって意見が交わされ、ブラジルとしては、中国やインド、それにインドネシアとともに、ロシアとウクライナ双方と話し合う用意があると伝えたということです。
一方、ロシアのサンクトペテルブルクで来月開かれる経済フォーラムへの招待に感謝の意を示しながらも「現時点でロシアに行くことはできない」として、出席を断ったとしています。
ルーラ大統領は「グローバル・サウス」と呼ばれる新興国や途上国との関係を重視し、ウクライナの和平に向けて、中国やインドなどと新たな交渉の枠組みを作ることに意欲を示しています。
一方、先のG7広島サミットでは、記者会見したルーラ大統領がウクライナへの武器の供与を続けるアメリカのバイデン大統領を「和平について何も言及していない」と非難するなど、ロシアへの対応をめぐる欧米各国との温度差が指摘されています。
ロシア ウクライナ東部で医療施設など攻撃

ウクライナ空軍は26日、ロシアが25日夜から26日朝にかけて、多くの巡航ミサイルやイラン製の無人機で攻撃を仕掛けてきたと発表しました。
このうち、ミサイル10発と無人機23機を迎撃したとしていますが、東部の都市ドニプロでは医療施設などにミサイルが着弾し、地元の当局によりますと、2人が死亡したほか、子ども2人を含む30人がけがをしたということです。
ロシアは今月に入り、ウクライナ各地で集中的な攻撃を繰り返していて、ウクライナのゼレンスキー大統領は26日、SNSで「新たな人道に対する罪だ」と非難しました。
そして「われわれはテロを打ち負かさなければならず、必ず成し遂げる」と書き込み、欧米の軍事支援を得ながらロシアに勝利すると改めて強調しました。
こうした中、ロシアのプーチン政権は、同盟関係にある隣国ベラルーシとの間で、戦術核兵器をベラルーシ領内に配備する合意文書に署名したと発表し、これに対してアメリカ国務省は25日「ロシアの無責任な行動の最新の例の1つだ」と非難しました。
一方、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は25日、戦術核兵器はまだベラルーシに配備されていないと分析したうえで、プーチン大統領が、核配備をちらつかせた情報戦を展開することで欧米への揺さぶりを強める可能性があるという見方を示しています。
このうち、ミサイル10発と無人機23機を迎撃したとしていますが、東部の都市ドニプロでは医療施設などにミサイルが着弾し、地元の当局によりますと、2人が死亡したほか、子ども2人を含む30人がけがをしたということです。
ロシアは今月に入り、ウクライナ各地で集中的な攻撃を繰り返していて、ウクライナのゼレンスキー大統領は26日、SNSで「新たな人道に対する罪だ」と非難しました。
そして「われわれはテロを打ち負かさなければならず、必ず成し遂げる」と書き込み、欧米の軍事支援を得ながらロシアに勝利すると改めて強調しました。
こうした中、ロシアのプーチン政権は、同盟関係にある隣国ベラルーシとの間で、戦術核兵器をベラルーシ領内に配備する合意文書に署名したと発表し、これに対してアメリカ国務省は25日「ロシアの無責任な行動の最新の例の1つだ」と非難しました。
一方、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は25日、戦術核兵器はまだベラルーシに配備されていないと分析したうえで、プーチン大統領が、核配備をちらつかせた情報戦を展開することで欧米への揺さぶりを強める可能性があるという見方を示しています。