“クレムリンに無人機攻撃 ウクライナ側関与の可能性” 米報道

アメリカのニューヨーク・タイムズやCNNテレビは24日、今月3日にロシア大統領府がクレムリンに対して2機の無人機による攻撃が仕掛けられたと発表したことについて、ウクライナ側が関与していた可能性があるとする見方を伝えました。

このうちニューヨーク・タイムズは、複数のアメリカ政府当局者の分析として、「ウクライナの特殊機関または諜報機関のいずれかによって計画された可能性が高い」と報じています。

今回の攻撃をめぐっては、ロシア側による自作自演という見方も指摘されていますが、ニューヨーク・タイムズは、ロシア側を傍受した通信内容などから「ロシア当局者は無人機の侵入に驚いたようだ」とする一方で、ウクライナ側からは「ウクライナに攻撃の責任があると信じている」とする通信を傍受したとしています。

一方で、ゼレンスキー大統領や幹部が計画を承認していたかは不明だとし、一部のアメリカ側の当局者は「ゼレンスキー大統領は知らなかったと考えている」とする見方を伝えています。

そのうえで、ニューヨーク・タイムズは「計画はウクライナの最大の軍事支援国であるアメリカの当局者を不快にさせるものだ。バイデン政権はロシアがアメリカを非難し、戦争を拡大させる形で報復に出る危険性を懸念している」と指摘しています。

これに対し、ウクライナ大統領府のポドリャク顧問は25日ロイター通信に対し「奇妙で無意味な攻撃だ」などとしてウクライナ側の関与を改めて否定しました。

一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は25日「ウクライナの政権が背後にいることは分かっていたことだ」と述べ、ウクライナ側による攻撃だという主張を強調しました。