動画コメント特許訴訟 「FC2動画」に配信停止と賠償命じる

動画サイトの「ニコニコ動画」を運営するドワンゴが、再生中の動画にコメントを流す特許を侵害されたとして「FC2動画」の運営会社を訴えた裁判で、2審の知的財産高等裁判所は特許権の侵害に当たると認め、コメント機能の配信停止と1100万円余りの賠償を命じました。

再生中の動画に流れるようにコメントを表示する特許を持つドワンゴは、アメリカに本社を置く「FC2」が特許を侵害していると主張してコメント付き動画の配信停止と賠償などを求めました。

1審は、FC2のサーバーはアメリカにあるため、日本の特許の侵害にはあたらないと判断して訴えを退け、ドワンゴが控訴していました。

2審の知財高裁は5人の裁判官による大合議で審理し、26日の判決で大鷹一郎裁判長は「サーバーが国外にあっても、国内にあるシステムの構成要素が果たす役割や、利用の効果が得られる場所などを総合的に考慮し、日本国内で行われたとみられる場合は、特許法の効力が及ぶ」という考え方を示しました。

その上で「FC2のサービスには日本のユーザー端末が必要だ」などとして、日本の法律の効力が及ぶと判断し、1審とは逆に特許権の侵害を認めてFC2に配信停止と1100万円余りの賠償を命じました。

この裁判では、当事者以外から争点について意見を募集する手続きが初めて採用され、東京高裁によりますと52件の意見が企業や個人から寄せられ、このうち44件が証拠として使われたということです。