生乳 冬にかけ余る懸念 業界団体“引き続き消費拡大取り組む”

牛乳や乳製品の原料となる生乳について、業界団体が今年度の生産量の見通しを公表しました。需要の落ち込みを受けて生産調整が行われている一方で、冬にかけては生乳が余る懸念もあるとして、引き続き消費の拡大に取り組むとしています。

牛乳や乳製品の業界団体「Jミルク」は26日、会見を開き、牛乳などの原料となる生乳について今年度の需給見通しを公表しました。

それによりますと、今年度の生産量は前の年度より1.5%減って741万トンにとどまるとして、前回・1月に示した見通しより5万トン余り引き下げました。

これは、餌代の高騰による経営難で廃業する酪農家が増えたことや、需要の落ち込みを受けて乳牛の数が減ったことなどが主な要因です。

一方、生乳の消費量をめぐっては
▽ことし8月に牛乳やヨーグルトが値上げされるほか
▽冬休みには学校給食が休止するため、冬にかけてさらに落ち込む可能性もあり、生乳が余ることも懸念されるとしています。

Jミルクの内橋政敏専務理事は「短期間の間に何度も値上げが行われているが、その必要性について理解が得られなければ、消費の減退につながっていく。牛乳の栄養や価値について情報発信を行い、理解を得ていきたい」と述べ、引き続き消費の拡大に取り組んでいく考えを示しました。