ダイハツ 国の認証不正取得車 “社内試験で基準満たす”と発表

ダイハツ工業が、必要な衝突試験を行わずに不正なデータを使って国の認証を取得していた問題で、会社は社内で必要な試験を行った結果、安全性の基準を満たしたと発表しました。今後、国土交通省の立ち会いのもと改めて試験を行うなどして、出荷や販売の再開に必要な手続きを進めたいとしています。

ダイハツをめぐっては、4月、海外向けの乗用車の衝突試験で不正が発覚し、5月には国内向けの一部のハイブリッド車でも、生産や販売に必要な国の認証を不正に取得していたことが明らかになっています。

不正があったハイブリッド車は、
▽自社ブランドの「ロッキー」と
▽トヨタ自動車に供給している「ライズ」で、
運転席側の側面の衝突試験を行わず、助手席側のデータを国に提出していました。

会社では24日、社内で運転席側の衝突試験を行い、安全性の基準を満たしていることを確認したということです。

一方、今回の結果は国土交通省が確認していないため、改めて立ち会いのもとで試験を行うなどして、出荷や販売の再開に必要な手続きを進めたいとしています。

ダイハツは第三者委員会で一連の不正の調査を進めていて、「不正行為をせざるを得なくなった背景や環境、真因を徹底的に究明し、二度と同じ過ちを繰り返さない決意で取り組んでいきます」としています。

国交省 組み立て工程から立ち会い試験実施の方針

国土交通省は、組み立て工程から立ち会って試験を実施し、安全性を確認する方針です。

国土交通省は今回の問題を受け、
ダイハツに対し
▽不正のあった衝突試験について速やかに安全性を確認することや、
▽事実関係や原因などの詳しい調査をすること、
▽ほかの試験項目や車種で不正行為がないか調べるよう指示しています。

会社からは、不正なデータの使用が発覚した運転席側の衝突試験を社内で実施したところ、安全性の基準を満たしていたと26日、報告があったということです。

国土交通省は、24日から立ち入り検査を行っていますが、今後、組み立て工程から立ち会い、改めて衝突試験を実施して安全性を確認することにしています。

国土交通省は、「型式指定の申請における不正行為は信頼を損なう行為で極めて遺憾だ。安全性能の確保と再発防止の徹底に向け厳正に対処していく」とコメントしています。