これに関連して、アメリカ国防総省でインド太平洋地域を担当するラトナー国防次官補は25日、首都ワシントンで講演し、「オースティン長官は中国との開かれた意思疎通が重要だと何度も発言している。誤算を防ぎ、危機が制御不能になるのを防ぐことが重要だ」と述べて、米中両国の間で対話を継続する必要性を強調しました。
そのうえで、アメリカ側からオースティン長官と李国防相が、現地で会談できるよう中国側に打診していることを明らかにしました。
またラトナー氏は、李国防相がロシアから地対空ミサイルシステムなどの兵器を購入したことに関わったとして、アメリカ政府から2018年に制裁を科されていることについて、「制裁は法的にも技術的にも、会談ができるかどうかに関係がない」と述べて会談を妨げるものではないという認識を示しました。
ラトナー氏によると、中国側から返答は、まだないということですが、アメリカとしては、両国の国防相どうしが対面で会談する機会につなげたい考えで、調整が続くものとみられます。

“米国防長官と中国国防相の会談を中国に打診” 米国防総省
アメリカ国防総省の高官は、6月にシンガポールで開かれる国際会議にあわせて、アメリカ側からオースティン国防長官と中国の李尚福国防相との会談を中国側に打診していると明らかにしました。
アメリカのオースティン国防長官は、6月2日からシンガポールで開かれる「アジア安全保障会議」に出席する予定で、中国の李尚福国防相も出席する可能性が出ています。
