プーチン大統領 旧ソビエト諸国の経済協力拡大へ 結束アピール

ロシアのプーチン大統領は旧ソビエト諸国の首脳を集めた国際会議で演説し、結束をアピールしました。また、同盟関係にある隣国ベラルーシとの間で、戦術核兵器を配備する合意文書を取り交わし、欧米へのけん制を強めています。

ロシアのプーチン大統領は25日、ロシアが主導し、旧ソビエトの5か国が加盟するユーラシア経済同盟の首脳会議で演説し「多極化する世界でわれわれの枠組みが中心の1つとなっている」と述べ、経済協力を拡大させたい意向を示して、結束をアピールしました。

またロシアのショイグ国防相は25日、同盟関係にある隣国ベラルーシでフレニン国防相と会談し、ロシアが戦術核兵器をベラルーシ領内に配備する合意文書に署名しました。

ショイグ国防相は「核兵器の管理や使用については今後もロシアが決定する」と述べ、特別な保管施設で管理するとして「国際法を順守している」と主張しました。

プーチン大統領は7月1日までに戦術核兵器の保管施設を建設するとしていて、欧米側を改めてけん制した形です。

一方、ウクライナ大統領府のポドリャク顧問は、24日に行われたイタリアメディアとのインタビューで「反転攻勢は数日前から始まっている。1500キロにおよぶ戦線での激しい戦いだ」と述べ、大規模な反撃が始まっているという認識を示しました。

ポドリャク顧問はその後、ツイッターで反転攻勢について、「特定の日時に始まるようなイベントではない。ロシアの占領軍を破壊するため、様々な方面で行われる数十の行動だ。きのうもきょうも行われ、あすも継続される」と投稿し、領土奪還に向けたウクライナ軍の動きに関心が高まっています。

米国務省報道官「ロシアの無責任な行動」

アメリカ国務省のミラー報道官は25日、記者会見で「ロシアが大規模な軍事侵攻を開始して以降、われわれが目の当たりにしたロシアの無責任な行動の最新の例のひとつだ」と述べ、非難しました。

その上で「ロシアが核兵器の使用に向けた準備をしている兆候は見られない」としながらも、「われわれは、化学兵器や核兵器の使用は、厳しい結果を招くと明確にしてきた」と述べ、ロシアをけん制しました。