韓国の視察団の団長を務めるユ・グクヒ原子力安全委員長は記者団に対し、「今回の視察についてはできるだけ早く整理して国民に説明する。今回確認したものもあれば、追加で要請した資料もある。その資料を受け取り、追加で分析をして、確認しなければならない作業を進めていく」と述べました。
そのうえで「そのようなことをすべて行ったうえで、最終的に、総合的な評価内容を公表する計画だ」と述べ、分析を進めたうえで最終的な評価内容を明らかにすると説明しました。

韓国視察団 帰国を前に日本政府関係者などと協議
東京電力福島第一原子力発電所でたまる処理水を基準を下回る濃度に薄めて海に放出する計画をめぐって、現地を視察した韓国の専門家による視察団が、帰国を前に日本の政府関係者などと協議を行いました。
視察団は、韓国の原子力安全委員会の幹部や海洋環境の専門家などおよそ20人で構成され、24日までの2日間、福島第一原発を訪れて視察を行いました。
25日は外務省を訪れ、経済産業省や原子力規制庁などの関係者と今回の訪日で最後となる協議を行いました。
協議は非公開で行われ、韓国側からは現地で確認できなかった放出設備や処理水の分析に関するデータなどについて追加の提供を求める声があったということです。
福島第一原発にたまるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水について日本政府は、基準を下回る濃度に薄めて海へ放出する方針で、ことし夏ごろまでの放出開始に向けて東京電力が準備を進めています。
計画には韓国の国内で懸念の声があがっていて、視察団は26日に帰国したあと、今回の視察の結果を踏まえて安全性を確認し、結果を韓国の国民向けに報告するとしています。
一方、日本政府は「あくまで韓国側の理解を深めてもらうための対応だ」としていて、計画の安全性についてはIAEA=国際原子力機関が来月までにまとめるとしている評価結果をもとにして、国際的な情報発信を進めたいとしています。