5月の月例経済報告「緩やかに回復」 外食など需要伸び踏まえ

政府は5月の月例経済報告をまとめ、外食や自動車などの需要の伸びを踏まえ、景気の基調判断を「緩やかに回復している」に引き上げました。「緩やかに回復」という表現が使われるのは3年3か月ぶりです。

政府は25日の関係閣僚会議で、5月の月例経済報告をまとめました。

それによりますと、景気全体の基調判断を「緩やかに回復している」に引き上げました。

基調判断の引き上げは去年7月以来、10か月ぶりです。

また「緩やかに回復」という表現が使われるのは、新型コロナの感染が拡大する前の2020年2月以来、3年3か月ぶりとなります。

個別の項目をみますと、
▽「個人消費」は、新車の販売台数が好調のほか、持ち直しが遅れていた高齢者の外食の消費も増えていることから、「持ち直している」としました。

さらに、大型連休中の新幹線や航空などの利用実績は、コロナ禍前の水準まで回復し、自粛が続いてきたイベントが各地で開催されるなど、個人消費はコロナ禍から平時への移行が進んでいるとしています。

また、
▽「生産」は、半導体など世界的な供給制約が緩和する中で、自動車などの輸送機械が増加しているとして、「持ち直しの兆しがみられる」としています。

先行きについては、雇用や所得が改善して緩やかな回復が続くことが期待される一方、世界的な金融引き締めが続く中で、海外経済の下振れが国内の景気を下押しするリスクがあるとしています。