首相近くに爆発物 容疑者の選挙めぐる訴え 2審も敗訴 大阪高裁

和歌山市で選挙の応援に訪れていた岸田総理大臣の近くに爆発物が投げ込まれた事件で逮捕された24歳の容疑者が、事件前に、選挙制度を批判して国を訴えた裁判の判決で、大阪高等裁判所は1審に続いて訴えを退けました。
警察は、選挙制度への不満が動機なのか慎重に捜査しています。

先月15日、選挙の応援に訪れていた岸田総理大臣の近くに爆発物が投げ込まれた事件では、逮捕された兵庫県川西市の無職、木村隆二容疑者(24)の刑事責任能力を調べる「鑑定留置」が行われています。

警察によりますと、これまでの調べに対し、木村容疑者は黙秘を続けているということで、動機は明らかになっていません。

一方、木村容疑者は去年6月、法律が定める被選挙権年齢や供託金の規定で、参議院選挙に立候補できなかったなどと主張して国に損害賠償を求める訴えを起こし、去年11月、1審の神戸地方裁判所が訴えを退けたため、控訴していました。

この裁判の2審の判決で、大阪高等裁判所の本多久美子裁判長は25日、「年齢の規定や供託金制度には合理性がある」などとして、訴えを退けました。

これまでの調べで、木村容疑者は1審で訴えが退けられた去年11月ごろから火薬を製造していたとみられ、警察は選挙制度への不満が動機なのか、慎重に捜査しています。