ソニーグループ 熊本県内2か所目の半導体工場建設方針を発表

ソニーグループは、熊本県内で2か所目となる半導体工場を建設する方針を正式に明らかにしました。合志市で新たに用地を取得し、投資額は数千億円規模にのぼる見通しです。

ソニーグループはスマートフォンのカメラなどに使う半導体で世界シェアの5割を占める最大手で、熊本県菊陽町にある工場の近隣で2か所目となる新工場の建設を検討してきました。

発表によりますと会社は、熊本県合志市でおよそ27ヘクタールの用地を新たに取得するということです。

投資額は数千億円にのぼる見通しで、2025年度以降の稼働開始を目指しています。

ソニーセミコンダクタソリューションズの清水照士社長は、オンラインの説明会で「イメージセンサーの事業は、中長期で成長が期待される。成長機会を確実に捉えることで、60%のシェアを達成したい」と述べました。

そのうえで、市場の環境による増減はあるとしながらも、来年度から2026年度までの3年間で9000億円規模の設備投資を行うとしています。

また、ソニーは、これとは別に菊陽町で、台湾の半導体大手TSMCやデンソーと共同で新たな半導体工場の建設を進めています。

アメリカと中国の対立を背景に、経済安全保障の一環として日本としても半導体の生産体制の強化が急がれるなか、投資の拡大の動きが一段と広がっています。

メーカー各社 九州で半導体産業へ設備投資の動き

九州では、半導体産業への設備投資の動きが広がっています。

▽三菱電機は、熊本県菊池市にパワー半導体の新工場を建設し、2026年4月の生産開始を予定しています。

また、熊本県合志市にある工場でも生産設備を増強し、合わせた投資額はおよそ1000億円にのぼるとしています。

▽半導体大手のロームは、去年、福岡県筑後市の工場を増強し、さらに最大で1700億円規模の追加投資を行う方針を明らかにしています。

▽半導体材料メーカーのSUMCOは、佐賀県伊万里市の工場でシリコンウエハーの生産能力を増強し、ことし後半からの稼働を目指していて、投資額は2015億円にのぼります。

▽京セラは、およそ620億円を投資して、長崎県諌早市に半導体の関連部品を生産する工場を新たに建設し、2025年度の完成を予定しています。

▽半導体装置メーカー大手の東京エレクトロンは、熊本県合志市の工場でおよそ300億円をかけて開発のための建屋を建設し、来年秋に完成する予定です。

九州は、半導体の生産に欠かせない水資源が豊富なことや、太陽光発電の普及などで電力の安定供給も見込まれることから、メーカー各社の間で設備投資を拡大して半導体産業を集積させる動きが活発になっています。