韓国 “IAEA 評価に沿って判断” 福島第一原発 処理水放出計画

東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水を海に放出する計画をめぐり、韓国大統領府の高官は、IAEA=国際原子力機関が、6月までに公表するとしている評価結果に沿って、韓国としての立場を判断する考えを強調しました。

福島第一原子力発電所にたまる処理水を基準を下回る濃度に薄めて海に放出する計画をめぐっては、IAEA=国際原子力機関が、来月までに、放出開始前の包括的な評価結果を公表するとしています。

これについて、韓国大統領府のキム・デギ秘書室長は、24日の国会で「IAEAが安全性を担保できなければ、私たちも当然譲歩できない。ただ、前の政権の外相も、IAEAの基準には従うという立場だった」と指摘しました。

その上でキム氏は「IAEAの調査結果を尊重するのか」と質問されたのに対し「そうだ。科学的に検証されたものだ」と述べ、IAEAによる評価結果に沿って、韓国としての立場を判断する考えを強調しました。

韓国政府としては、IAEAの評価に加え、26日までの日程で日本に派遣している、専門家による視察結果も踏まえて判断するものとみられます。

また、キム氏は「原発事故から10年以上たったが、韓国の海岸や水産物などは、どこを見ても問題がない」と述べる一方で、福島県産などの水産物の輸入禁止の解除については「それは別の問題だ」と答弁しました。