アメリカテキサス州小学校銃乱射事件から1年で追悼

アメリカ南部テキサス州の小学校で21人が死亡した銃の乱射事件から1年となり、多くの人がこの小学校を訪れ、花を手向けました。

去年5月、テキサス州ユバルディの小学校に当時18歳の容疑者が押し入って銃を乱射し、児童19人を含む21人が死亡しました。

容疑者はその場で射殺されました。

小学校の校舎の前には、21人の写真が添えられた十字架がたてられ、事件から1年となった24日、多くの人が訪れ、花を手向けていました。

事件のあった校舎は、児童や教職員への精神的な負担を考慮し、取り壊しが決まっています。

訪れた人たちは「とても悲しく複雑な気持ちです」とか「銃規制の強化が進まなければならない」などと話していました。

また、市の中心部の広場では追悼集会が開かれ、およそ700人が集まって、黙とうをしたあと、ろうそくをともして犠牲者を悼みました。

一方、テキサス州議会では、今月8日、下院の委員会で、殺傷能力の高い銃を購入できる年齢を引き上げる法案が可決されたものの、アボット知事が規制強化に反対であることなどから、最終的な法案の成立の見通しは立っていません。

州都オースティンのアボット知事の公邸の前では、遺族を支援する人たちおよそ100人が集まって「命を守るための銃規制強化が必要だ」などと訴え法案の成立を求めました。

バイデン大統領も追悼の演説 銃規制の強化訴える

事件から1年がたったことを受けて、バイデン大統領はホワイトハウスで追悼の演説を行い、アメリカ国内で子どもが死亡する原因のうち、もっとも多いのが銃によるものだとして「あまりにも多くの学校や日常生活の場が殺りくの現場となっている。そして、それらの場所からは『なんとかしてほしい』という同じメッセージが聞こえる」と述べました。

そして野党・共和党が銃規制に消極的であることを念頭に「いまこそ行動すべきだ。民主党員や共和党員としてではなく、友人や親、アメリカ国民としてだ」と述べて、殺傷能力の高い銃の販売禁止など、銃規制の強化を訴えました。

演説の会場には事件で犠牲になった児童や教師の名前が記された21本のろうそくがともされていました。