“熱中症死亡者数 2030年までに半減へ” 政府が対策強化計画案

政府は、2030年までに熱中症による死亡者数を現状から半減させることを目標として、対策を強化する計画案をまとめたことが分かりました。

厳しい暑さによる熱中症で死亡する人があとを絶たない中、政府は先月成立した熱中症対策を強化する改正法に基づき、各省庁が連携して今後5年間に取り組む具体的な実行計画の案をまとめました。

計画案ではまず、去年までの5年間の平均で1295人と、年間1000人を上回っている熱中症による死亡者数について、2030年までに半減させるという目標を設定しています。

そして、目標達成に向け、去年の夏に熱中症で死亡した人の8割以上を65歳以上が占めたことや、屋内で死亡した人のおよそ9割がエアコンを使っていなかったり所有していなかったりしたことを踏まえ、高齢者への適切なエアコン利用の呼びかけや、福祉関係の団体などに見守りの協力を求め、高齢者への対策を強化するとしています。

また、子どもたちの発症を防ぐため、教育現場などでは、教室や体育館へのエアコンの設置の支援や、幼稚園などの送迎用バスでの車内への置き去り防止に取り組みます。

さらに、災害級の極端な高温に備え、「熱中症弱者」とされる高齢者や障害者などのうち、特に公的な支援が必要な人の所在や安否確認の方法を検討するとしています。

政府は来週、実行計画を閣議決定し、来月1日から施行して厳しい暑さが予想されるこの夏からの熱中症対策を強化する方針です。