SMBC日興証券相場操縦事件 元幹部5人 初公判で無罪主張

大手証券会社SMBC日興証券の相場操縦事件で、不正な株取り引きを行ったとして金融商品取引法違反の罪に問われている元幹部5人の初公判が開かれ、いずれも無罪を主張しました。

SMBC日興証券は、特定の銘柄の株価を維持するために大量に買い付けるなど不正な株取り引きを行ったとして、元幹部ら6人と法人が金融商品取引法違反の相場操縦の罪で起訴されました。

このうち、元副社長の佐藤俊弘被告(60)や、エクイティ部の元部長の山田誠被告(45)ら5人の初公判が東京地方裁判所で24日開かれ、いずれも無罪を主張しました。

検察は、冒頭陳述で「大株主からまとまった株を買い取り投資家に転売する『ブロックオファー』と呼ばれる取り引きで、株価が大幅に下落することを懸念した山田元部長らは、相場を安定させる目的で大量の株の買い付けを行った。このことについて佐藤元副社長らにも報告していた」と主張しました。

一方、山田元部長の弁護士は「株を買い付けたことは争わないが、相場を安定させる目的ではなく、罪にはあたらない」などと述べました。

この事件では、ことし2月、法人としてのSMBC日興証券に罰金7億円と追徴金44億7000万円余り、株式の運用などを行うエクイティ本部の元副本部長に懲役1年6か月、執行猶予3年が言い渡され、いずれの判決も確定しています。