「H3」ロケット2号機 地球観測衛星搭載せず打ち上げへ

今年度後半に打ち上げが予定されている日本の新たな主力ロケット「H3」の2号機について、文部科学省は24日、ことし3月の初号機の打ち上げ失敗を受けて計画を変更し、開発中の地球観測衛星を搭載せずに打ち上げる方針を示しました。

これは24日、文部科学省が国の宇宙開発について審議する宇宙開発利用部会で説明しました。

日本の新たな主力ロケット「H3」の初号機はことし3月7日、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられたあと、2段目のエンジンが着火せず打ち上げに失敗し、搭載していた地球観測衛星「だいち3号」が失われました。

24日の会議でJAXA=宇宙航空研究開発機構は、失敗の原因究明について説明するとともに、今年度後半に打ち上げが予定されているH3の2号機に搭載するため開発中の「だいち4号」について、「喪失するリスクは政策的な影響や関連分野への影響を考えると非常に大きなものになる」と説明しました。

そのうえで、文部科学省は今後の方向性として、当初の計画を変更して「だいち4号」は搭載せず、軌道に人工衛星を投入できる性能を確かめるための計測機器などを搭載して打ち上げる方針を示しました。

これについて委員からは「1年2年計画が遅れても安全に打ち上げたほうがいい」とか、「方向性に異論はない」などの肯定的な意見が出されました。

文部科学省の担当者は「原因究明作業と並行して可能な準備を進めることでできるかぎり早期の打ち上げ再開に向けて万全を尽くしたい」と話しています。