“米国防総省近くで爆発”偽画像拡散 株価一時下落する騒動に

アメリカ国防総省の近くで爆発が起きたとする偽の画像がネット上で拡散し、株価が一時、下落する騒動に発展しました。画像はAIで生成されたものとみられ、悪質な利用に対する懸念も広がりそうです。

アメリカ国防総省の近くで爆発が起きたとする偽の画像が22日、ネット上で拡散しました。

画像は国防総省付近で大きな黒煙が上がっているように見えますが、AI=人工知能で生成されたものとみられています。

元の投稿はその後、削除されました。

情報が広がったため地元の消防署がツイッターで「国防総省やその周辺で爆発や事故は起きていない。地域の住民に対する直接的な危険や危害はない」と呼びかける騒動に発展しました。

また、この画像は世界の金融ニュースやマーケット情報を発信するアメリカのメディア、ブルームバーグを装った「ブルームバーグ・フィード」と名乗るアカウントからも投稿されたことで、ニューヨーク株式市場のダウ平均株価が一時、100ドル以上下落する事態になりました。

アメリカでは、トランプ前大統領が起訴される直前に警察官にひきずられる偽の画像がツイッターで拡散するなど、画像生成AIの悪質な利用が起きていて懸念も広がりそうです。

インド 主要テレビ局が速報も 取り消す

偽の爆発画像はインドの主要テレビ局の1つ、「リパブリックTV」がロシアの国営テレビ、RTのツイートを引用する形で放送しました。

このテレビ局は「アメリカ国防総省の近くで爆発が起きたようだ」と速報し、専門家への電話インタビューなどとともにおよそ10分間にわたって伝えました。

「リパブリックTV」はこの1時間余りあとにツイッターに「RTのツイートを引用してアメリカ国防総省付近で爆発が起きた可能性があるというニュースを伝えたが、RTが投稿を削除し、リパブリックTVは速報を取りやめた」と投稿し、速報を取り消したことを明らかにしました。