米債務上限問題めぐりバイデン大統領と野党側協議も合意至らず

交渉が難航しているアメリカ政府の借金の上限、債務上限の引き上げをめぐる問題でバイデン大統領と野党・共和党側との直接協議が行われましたが、この日も合意には至りませんでした。早ければ来月1日にもアメリカ国債が債務不履行=デフォルトに陥るおそれがある中、ギリギリの交渉が続きます。

アメリカ政府の債務上限の引き上げをめぐるバイデン大統領と野党・共和党のマッカーシー下院議長との今月3度目となる直接協議は22日、ホワイトハウスで行われました。

1時間余りにわたった協議のあとマッカーシー下院議長は記者団に対し「生産的な話し合いだったが、まだ合意はしていない。前の年度よりも支出を減らさないといけない」と述べ、この日も合意に至らなかったことを明らかにしました。

協議がまとまらなければ、早ければ来月1日にもアメリカ国債が史上初めて債務不履行=デフォルトに陥るおそれがあるなか、ギリギリの交渉が続きます。

バイデン大統領は21日の記者会見で1兆ドル以上の支出削減を提案したにもかかわらず、共和党が受け入れようとしていないと述べたのに対し、共和党側は低所得者向けの医療保険制度や食料支援の条件を厳格にすべきだと提案していて、隔たりが埋まっていないものとみられます。

バイデン大統領が声明「債務不履行はありえない」

協議のあと、バイデン大統領は声明を発表し「債務不履行を防ぎ、経済の大惨事を避けるための生産的な会談だった」としたうえで「債務不履行はありえない。前に進む唯一の方法は超党派の合意に向けて誠実に取り組むことだと強調した。合意していない分野がいくつかあるが協議を続けていく」としています。

イエレン財務長官は下院議長らに早急な対応求める書簡

アメリカのイエレン財務長官は22日、マッカーシー下院議長ら議会指導部に宛てた書簡で、議会が債務の上限の引き上げに応じなければ、来月上旬に債務の不履行に陥る可能性が高く、早ければ1日にも債務不履行となるおそれがあるという見方を改めて示しました。その上でイエレン長官は「期限ぎりぎりまで上限の引き上げを行わずにいれば、アメリカの信用などに深刻な影響を与えかねない」として議会に対し、早急な対応を求めました。