「ウクライナとの国境付近侵入の工作員39人殺害」ロシア側報道

ウクライナへの侵攻を続けるロシアは、ウクライナと国境を接する州に工作員が侵入したと発表し、ロシアのメディアは、当局が工作員39人を殺害したと伝えています。一方、ウクライナ側は、侵入はプーチン政権に反対するロシア人の地下組織によるものだとしていて、現地で緊張が高まっています。

ロシアが侵攻するウクライナでは東部ドネツク州の激戦地バフムトをめぐり、ロシア側は21日、完全掌握を発表していますが、ウクライナのマリャル国防次官は22日、SNSで「バフムト郊外の北と南で敵と支配権を争っている」として、ロシア側が街の大半を掌握する一方、郊外では反撃を続けていると強調しました。

一方、ウクライナと国境を接するロシア西部のベルゴロド州の州知事は22日、ウクライナの工作員が州内に侵入したとして、テロ対策を行うための態勢を敷くと発表しました。また、砲撃を受けて州内の8人がけがをしたとしています。

これについてロシア大統領府のペスコフ報道官は22日に「国防省やFSB=連邦保安庁などがウクライナからの侵入を撃退し、排除しようとしている」と述べ、プーチン大統領に報告したと明らかにしました。

ロシアのメディアは、ロシア側の当局がウクライナ側の工作員39人を殺害したと伝えています。

これについて、ウクライナ大統領府のポドリャク顧問はSNSで「関心を持って注視しているがウクライナは関係がない」と関与を否定し、侵入はプーチン政権に反対するロシア人の地下組織によるものだとしています。

こうした中、ウクライナ側に立って戦うロシア人などの義勇兵を名乗る組織がSNS上でロシア領内に入ると主張し、軍用車両などの映像を公開していて、現地で緊張が高まっています。