千葉 浦安 マンション駐輪場の不審火 古いバイク激しく燃える

21日夜、千葉県浦安市のマンションの駐輪場で起きた不審火で、古いバイクが激しく燃えていたことが捜査関係者への取材でわかりました。
別のマンションで相次いでいる放火事件でも古いバイクがねらわれたとみられ、警察が関連を調べています。

21日夜10時過ぎ、浦安市明海にあるマンションの駐輪場で、バイクと自転車が少なくとも1台ずつ焼ける火事がありました。

捜査関係者によりますと、駐輪場にはバイクのほか自転車も置かれていましたが、このうち古いバイクが激しく燃えていたということです。

浦安市内では現場からおよそ500メートル離れた別のマンションの駐輪場で、今月に入って放火事件が3件相次いでいて、バイクや自転車などが焼けています。

いずれも休日の夜間に起きているほか、これまでの調べで、3つの現場とも古いバイクを中心に激しく燃えていたことがわかっています。

一方、21日夜の現場では、これまでに起きた3件の現場で見つかっていたオイル缶とみられるものは見つかっていないということです。

警察は古いバイクのある駐輪場をねらって火をつけた疑いがあるとみて相次ぐ不審火との関連を調べています。

別棟に住む男性「早く解決してほしい」

現場の建物と同じ敷地にある別の棟に住む50代の男性は「現場の駐輪場は外から見えにくくなっている。私が住むマンションの駐輪場も同じような構造なので不安です。特に駐輪場に近い1階に住んでいるので、『ねらわれたら』と思うと恐怖を感じます。早く解決してほしいです」と話していました。

また、男性の妻は「きのうの夜はサイレンの音が響き、子どもたちが怖がっていました。穏やかに暮らせるよう、犯人を早く捕まえてほしいです」と話していました。

4件の火事の位置関係

まず、1件目となる5月3日の不審火は、JRの新浦安駅から南東に1キロほど離れたところにあるマンション1階の駐輪場で起きました。

その10日後の13日には、1件目の現場と隣あう棟の駐輪場で2件目が発生。

さらに14日には、2件目の現場から北西におよそ80メートル離れた駐輪場で3件目の火事が起きました。

火事が相次いだマンションで警戒が高まるなか、21日夜、500メートルほど離れた別のマンションの駐輪場で4件目の火事が起きました。

犯人像や目的は?

犯罪心理学に詳しい東京未来大学の出口保行教授に考えられる犯人像や手口などからうかがえる目的などについて聞きました。

土地勘がある人物が下見したうえで犯行か

まず、出口教授は、これまでにあった多くの放火事件の犯人について「自分が社会の中で正当な評価を受けていないことへの強い不満を抱いている場合がほとんどだ。その不満を一気に晴らそうとして放火し、社会の注目を集めることが快感になって、放火を繰り返すケースが多い」と指摘しました。

その上で「今回の事件についても同じような犯人像が浮かぶ」としています。

また、4件が狭い範囲で起きていることや防犯カメラがない場所や古いバイクが狙われている点などから「土地勘がある人物が下見なども行ったうえ犯行に及んでいるのではないか」と推察していました。
火事はいずれも休日の夜間、駐輪場を狙っているという共通点があります。

これについて出口教授は「多くの人が在宅している休日の夜間に放火することで、いっそう大きな動揺や不安を与えることを狙っているのだと思う」と分析しました。

今回の事件が3件とは別のマンションだったことについては、「犯行に及んだ人物にとって、3回も同じところで放火をしたことでゆがんだ自己顕示欲を満たしたのかもしれないが、さすがに4回目となると警戒・警備が強まって別の場所に変えた可能性がある」と分析していました。

今後の対策は

今後について出口教授は「刺激を求めて、前よりも大胆に大きな被害を与えるようにとエスカレートする危険性もある」と指摘しました。

その上で「地域住民が不審に思った際は、すぐに警察などに情報提供することが大切で、犬の散歩や買い物を周囲を見渡しながら行うことも犯罪の抑止になると考える」と話していました。