北日本・北陸・中国地方で黄砂観測 健康への影響は 注意点は?

22日は大陸からの黄砂が飛来し、北日本や北陸、中国地方で観測されています。22日夜遅くにかけて太平洋側にも広がる見込みで、見通しが悪くなった場合には交通への影響などに注意が必要です。

気象庁によりますと、大陸からの黄砂が日本列島の上空に飛来し、北日本と東日本それから中国地方にかけて広がる見込みです。

午前11時現在、北日本や北陸で、黄砂が観測されていて、物が肉眼ではっきり見える範囲の「視程」は
▽北海道の函館市で6キロ
▽北海道の室蘭市で8キロ
▽新潟市で10キロ
▽札幌市と青森市、それに盛岡市で10キロ以上となっています。

また、22日朝は広島市でも黄砂が観測されました。

気象庁によりますと、22日夜遅くにかけて黄砂の範囲は太平洋側にも広がる見込みです。

肉眼ではっきり見える範囲の「視程」は10キロ未満、ところによって5キロ未満となり、各地で見通しが悪い状態になると予想されています。

黄砂が飛来する地域では、屋外で洗濯物に黄砂が付着するなどの影響が予想されるほか、視程が5キロ未満の場合、交通への影響が出るおそれもあり、気象庁が注意を呼びかけています。

健康への影響は?

環境省は、これまでの研究成果などをもとに「黄砂とその健康影響について」としてホームページで情報を公開しています。要点をまとめました。

【黄砂の飛来との関連が報告されている健康影響】
▽目のかゆみや結膜炎、鼻水やくしゃみなどアレルギー症状
皮膚症状を示す人は、金属アレルギーの傾向があると言われている
▽気管支ぜんそくや肺炎など呼吸器疾患の悪化
黄砂による気管支ぜんそくの入院は特に子どもと高齢者への影響が大きい
▽循環器疾患への影響
黄砂の飛来と心筋梗塞による入院や発症の増加との関連も報告されている
ただ、黄砂が発症にどのように関係しているかはわかっていないとしている

何に気をつけたら?

では、黄砂による健康影響を防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか。

環境省のまとめでは、特に呼吸器や循環器に疾患のある人や子どもや高齢者は、より慎重に行動することが望まれるとしています。

▽環境省や気象庁による黄砂の飛来情報をチェック
▽黄砂が飛来しているときは不要不急の外出を控える
▽不織布マスクなどを着用し、黄砂を吸い込む量を減らす
▽高濃度の黄砂が来ている時は窓の開け閉めや換気は必要最小限に
空気清浄機の利用も、性能によっては効果的

自動車に黄砂が付着したら?

自動車の修理などを行う全国チェーンのカーコンビニ倶楽部に、黄砂が付いた車を洗う際のポイントを聞きました。

1.タオルなどで黄砂を直接拭き取らない
2.水をたっぷりと使って洗い流す
3.洗浄力の高いカーシャンプーで優しく洗う
4.洗車機の使用は要注意

1.タオルなどで黄砂を直接拭き取らない
黄砂が車を傷を付ける可能性があるため、タオルで直接拭き取ることは推奨しないということです。

また黄砂を取り除こうとワイパーを動かすとフロントガラスなどを傷つけてしまうので動かさないほうがいいということです。

2.まず水をたっぷり使って洗い流す
たっぷりと水を使い、表面に付着した黄砂をできるかぎり洗い流すこと。

ただし、高圧洗浄機を至近距離で使うと摩擦で傷が付く恐れがあるため、離して使うか角度を寝かせるといいそうです。

3.洗浄力の高いカーシャンプーで優しく洗う水洗いを終えたら、泡立ちのよいカーシャンプーをスポンジに取って、表面をなでるように優しく洗う。

また、汚れを溶解するタイプのカーシャンプーもおすすめだということです。

泡や液剤の力で汚れを剥がす効果があるため、スポンジで擦らなくてもきれいにすることができるということです。

4.洗車機の使用は要注意洗車機を使用すれば手間なく車をきれいにすることができますが、コーティングを施した車の場合は注意が必要だとしています。

洗車機はコーティング被膜に傷を付けたり剥がしてしまうことがあるため、一般的に手洗いが推奨されているということです。