岸田首相 ウクライナに100台規模の車両を提供へ

岸田総理大臣は、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談し、日本からの追加の支援として、自衛隊が持つトラックなど100台規模の車両を提供することなどを伝え、今後、一層、緊密に連携していくことを確認しました。

G7広島サミットの閉幕後、岸田総理大臣とウクライナのゼレンスキー大統領は、夕方そろって広島市の平和公園の原爆慰霊碑に献花したあと、首脳会談を行いました。

冒頭、岸田総理大臣は「ロシアによる核兵器の威嚇、ましてや使用はあってはならない。核兵器のない世界に向けた取り組みとして、ともに平和公園の慰霊碑で献花をしたことは、重要な意義がある」と述べました。

その上で、岸田総理大臣は、今回のサミットで▽G7が一層結束し、あらゆる側面からのウクライナ支援とロシアへの厳しい制裁を継続していくことや、▽インドなどの「グローバル・サウス」を含めた招待国との間でも、力による一方的な現状変更の試みを許さない立場を確認したと説明しました。

その上で、ウクライナの要請も踏まえた日本からの追加の支援として、自衛隊が持つトラックなど100台規模の車両や、およそ3万食の非常用食料を提供することに加え、ウクライナの負傷兵を自衛隊の病院に受け入れることなどを伝えました。

また、日本政府内にウクライナの復興支援策を検討する会議を新たに設けたことも説明し、官民一体で、復旧・復興を後押ししていくと強調しました。

これに対し、ゼレンスキー大統領は「サミットに『グローバル・サウス』の国々を招待したことはすばらしかった。これまでの強力な支援と新たな支援に深く感謝する」と応じ、両首脳は今後、一層、緊密に連携していくことで一致しました。

冒頭、岸田総理大臣は「ロシアによる核兵器の威嚇、ましてや使用はあってはならない。核兵器のない世界に向けた取り組みとして、ともに平和公園の慰霊碑で献花をしたことは、大変、重要な意義がある」と述べました。

そして、ことし3月にみずからがウクライナを訪れた際の受け入れに重ねて謝意を示した上で「現地の情勢や張り詰めた空気を自分の目で見て、肌で直接感じることができ、ウクライナの美しい大地に平和を取り戻すため、ともに歩んでいく決意を新たにした」と述べました。

その上で、今回のサミットとゼレンスキー大統領による外交努力の成果を踏まえた今後の連携について意見を交わしたいと呼びかけました。

会談で岸田総理大臣は、日本として今後もロシアに対する制裁やウクライナへの支援を継続する方針を改めて直接伝え、一刻も早い軍事侵攻の停止とウクライナの復興に向けた連帯を確認したものとみられます。