インド 現在の最高額紙幣“2000ルピー札”の流通停止へ

インドの中央銀行にあたるインド準備銀行は、現在の最も高額な紙幣、2000ルピー札の流通を停止すると発表しました。モディ政権は、2016年に偽札や脱税の対策などとして高額紙幣を突然廃止して経済が大きく混乱しましたが、今回は、この紙幣の流通量が減っていることなどから、SNS上では比較的冷静な受け止めが広がっています。

インド準備銀行は19日夜、国内の紙幣としては最も高額で、日本円にして3300円余りに相当する2000ルピー札の流通を停止すると発表しました。

そのうえで、当面は引き続き使用できるものの、ことし9月30日までに銀行で別の紙幣に換えるか、預金するよう呼びかけています。

インドでは、2016年に偽札や脱税の対策などとして、当時最高額だった1000ルピー札と2番目に高額な500ルピー札を突然、廃止し、経済が大きく混乱しました。

2000ルピー札は、この時に導入されました。

インドでは7年前の高額紙幣の廃止や、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、スマートフォンや携帯電話からQRコードなどを通じて簡単に支払いができる電子決済システムの普及が急速に進んでいます。

発表によりますと、2000ルピー札の現在の流通総額は、ピーク時の半分程度に減っているということで、SNS上では「使えなくても問題ない」とか「最後にみたのがいつか覚えていない」など、比較的冷静な受け止めが広がっています。