FRB議長 相次ぐ銀行破綻影響で利上げ必要なくなる可能性示す

アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長は、相次いだ銀行破綻の影響により、金利を引き上げる必要がなくなる可能性があるという認識を示しました。金融市場では、次の会合での利上げの一時停止を示唆したという受け止めも出ています。

FRBのパウエル議長は19日、首都ワシントンでバーナンキ元議長などと対談しました。

この中でパウエル議長は、銀行破綻が相次いだことを受けてFRBが導入した銀行に資金を供給する異例の措置について、インフレを抑えこむための利上げを続けながら金融不安を落ち着かせるためだったという考えを明らかにしました。

その上で、銀行破綻によって引き起こされる信用収縮は、経済成長や雇用、インフレに影響を及ぼすため、金利を引き上げる必要がなくなる可能性があるという認識を示しました。

一方で、パウエル議長は「依然としてインフレはFRBの目標より高すぎる」とした上で、6月の金融政策を決める会合での政策判断は決定しておらず、今後の経済指標のデータしだいだと強調しました。

金融市場では、インフレが低下傾向になっていることなどを踏まえ、パウエル議長が次の会合での利上げの一時停止を示唆したという受け止めも出ています。