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体操 NHK杯で宮田笙子が2連覇 世界選手権代表に決定

体操の世界選手権の代表選考を兼ねたNHK杯は女子の競技が行われ、18歳の宮田笙子選手が2連覇を果たして、世界選手権の代表に決まりました。
体操の個人総合で争うNHK杯は、東京 渋谷区の東京体育館で20日から始まり、大会は先月の全日本選手権の得点を持ち点に争われ、上位4人がことし9月にベルギーで開幕する世界選手権の代表に決まります。

全日本選手権で2位だった宮田選手は、1種目目の跳馬で持ち味の脚力を生かした高さのある演技で高難度の「ユルチェンコ2回ひねり」を決め、14.266をマークしてこの種目2位となりました。

2種目目の段違い平行棒はE難度の「マロニーハーフ」をしっかりと決めて、13.400の高得点を出し、この時点でトップの選手に0.100差に迫ります。

次の平均台では、安定感のある演技でまとめ、逆転してトップに立ちました。

最後のゆかでは、冒頭でH難度の大技、伸身2回宙返り1回ひねりの「チュソビチナ」を決めると、その後も持ち味の表現力を生かしたダイナミックな演技で13.300をマークし、全日本選手権との合計得点161.063で、2連覇を果たしました。

一方、全日本選手権を制した渡部葉月選手は、1種目目の跳馬の着地で大きくバランスを崩したほか、得意の平均台でもしゃがみこんだままターンする技で大きなミスがあり、4位でした。

2位は合計160.963で15歳の岸里奈選手、3位は合計159.464で深沢こころ選手でした。

この結果、優勝した宮田選手、2位の岸選手、3位の深沢選手、それに4位の渡部選手が世界選手権の代表に決まりました。

代表の残り1人は来月の全日本種目別選手権の成績を踏まえて選ばれます。

NHK杯は、21日に男子の演技が行われます。

宮田選手「自分の強みを見せられたし根性も出せた」

2連覇を果たした宮田笙子選手は「全日本選手権は予選6位だったので不安だったが、きょうは自信を持っていこうと演技に臨んだ。自分の強みを見せられたし根性も出せた」とほっとした様子で話しました。

そして、2位の岸里奈選手と0.100差で臨んだ最後のゆかは「不安な部分もあったが技の難度は上げていたし、自信に変えて着地を決めるしかないと思っていた」と振り返りました。

また、世界選手権に向けては「世界選手権で一番いい演技がしたい。個人総合のメダルもとりたいが、来年のパリオリンピックへの過程として、去年の個人総合8位より順位を上げたい」と意気込みました。

岸選手 初の世界選手権へ この1年で急成長

初めて世界選手権の切符をつかんだ、高校1年生の15歳、岸里奈選手。

去年のNHK杯は12位に終わるなど、「代表は全く意識していなかった」という岸選手。

この1年で急成長を遂げた、期待の新星です。

岸選手は、埼玉県出身の15歳、身長1メートル47センチと小柄ながら、柔軟性と脚力を武器に難度の高い技をこなします。

2回宙返り2回ひねりのH難度の大技「シリバス」の挑戦を始めたのは、先月の全日本選手権の半年ほど前のことでした。

この技は、東京オリンピック種目別のゆかで日本の女子選手として、オリンピックの個人種目で初となる銅メダルを獲得した村上茉愛さんが得意としていた大技です。

最初は「怖かった」という、岸選手。

二人三脚で習得に取り組んだのは、NHK杯で4回の優勝を果たしたコーチ、豊島リサさんです。

豊島コーチは、岸選手をこう評します。

「1つ武器を持っていると自信になると思った。とにかく一生懸命で真面目。柔軟もトレーニングも絶対にさぼらない」。

習得に欠かせない空中感覚を身につけるための細かなトレーニングを積み重ね、その成果が出たのが4月の全日本選手権でした。

大会での初めての演技で冒頭の「シリバス」を見事に着地まで決めると、ゆかで13.366のトップの高得点をマークし、全体で予選7位から4つ順位を上げて、3位に入る大躍進を遂げたのです。

岸選手は、この成功が「自信につながった」と話し、NHK杯までのおよそ1か月で「シリバス」の完成度を磨いてきました。

この自信は、岸選手の意識も変えます。

「もっと上を目指したい」と技の出来栄えを示す「Eスコア」の得点を向上させるため、空中の足先の乱れや、ジャンプの足の開きなど細部までこだわり、“美しく余裕のある演技”を目指すようになりました。

20日は、1種目目の跳馬で高難度の「ユルチェンコ2回ひねり」を成功させると、段違い平行棒もきれいに伸びた足先でE難度の「マロニーハーフ」を決めて細かな減点のない演技を見せ、全日本選手権の得点を上回りました。

トップの宮田笙子選手と0.100差で迎えた最後のゆかは、冒頭で「シリバス」を着地までしっかり決めて13.300をマークしました。

僅差で優勝は逃しましたが、大躍進の2位で大会を終えた岸選手。

磨いてきた美しい体操を大舞台でいかんなく発揮し、大会で「Eスコア」の得点が最も高い選手に贈られる賞を受賞しました。

日本体操協会の田中光女子強化本部長も「美しい体操が評価された。岸選手が優勝争いできたことは日本の女子体操にとって大きい。世界でも十分評価される選手だ」と期待を寄せています。

岸選手は「Eスコアの上積みが目標だったので、評価されてすごくうれしいし、自信になった。パリオリンピックの個人総合でメダルをとるために経験を積みたい」と大きな手応えを口にしていました。

岸選手「世界で戦うのは想像つかないが自信に変えていきたい」

2位に入った15歳の岸里奈選手は、「代表に入ることが目標だったので、とてもうれしい。ゆかで『シリバス』を決められたことも自信になったし、完成度を高めて世界に通用する技として取り組んでいきたい」と笑顔で話しました。

その上で、初出場となる世界選手権に向けて「世界の舞台で戦うのは想像がつかないが、その経験を自信に変えていきたい。パリオリンピックでメダルを獲得するためにも頑張りたい」と意気込んでいました。

深沢選手「細かいミスがあったので修正していきたい」

3位に入った深沢こころ選手は、「3位に入ることができて、代表にもなれたので喜びたいが、内容は平均台も段違い平行棒もかんぺきではなく、細かいミスがあったのでこれから修正していきたい」と話しました。

また、世界選手権に向けて「今後も一つ一つの試合を大切にしてけがすることなく、世界選手権に照準を合わせたい。パリオリンピックの団体の出場枠を獲得できるよう頑張りたい」と話していました。

渡部選手「ミスを引きずらないよう意識」

4位の渡部葉月選手は「1種目目の跳馬でミスがあったので最後まで代表に入れるかわからない状態で耐えるしかなかったが、入れて一安心だ」と心境を語りました。

その上で「ミスをして苦しかったが、そのミスを引きずらないよう意識していたので、切り替えて最後まで諦めずにできてよかった」と振り返りました。

そして、世界選手権に向けて「きょうの試合はしっかり反省して、完成度を上げていきたい。チームに貢献して確実にパリオリンピックの出場枠を勝ち取りたい」と意気込みました。

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