日銀 植田総裁“米国債 債務不履行なら世界経済に甚大な影響”

アメリカ政府の借金の上限、いわゆる債務上限問題について日銀の植田総裁は、19日に開かれた衆議院の財務金融委員会で、仮にアメリカ国債が債務不履行に陥った場合には世界経済に甚大な影響が及ぶと指摘したうえで、日銀として金融市場の安定に努める考えを示しました。

この中で、日銀の植田総裁は、アメリカの債務上限問題について「現在、関係者間で解決に向けた取り組みが一生懸命進められていて早急に解決されることを期待している」と述べました。

一方、仮にアメリカ国債が債務不履行に陥った場合の影響については「世界経済に甚大な影響が及ぶことは間違いない。アメリカの国債はさまざまな金融取引の担保などとして利用され、根幹をなしているので、金融取引のかなりの部分に重大な影響が及ぶことを覚悟しておかないといけない」と指摘しました。

そのうえで、植田総裁は「経済、物価、金融情勢に応じて機動的に対応するような形で金融市場の安定に努めていく」と述べ、日銀として金融市場の安定に向けて迅速に対応する考えを示しました。