【詳細】G7広島サミット 初日の日程を終える

G7広島サミットが19日に開幕しました。議長国・日本は、ロシアや中国の動向を踏まえ、法の支配に基づく国際秩序の維持・強化に向けてG7の結束を示したい考えです。また被爆地・広島でのサミットで、核廃絶に向けてどのようなメッセージを打ち出せるのかも焦点です。

複数の欧米メディアは関係者の話として、ウクライナのゼレンスキー大統領が来日し、G7広島サミットに対面で出席すると伝えました。ロシアによる軍事侵攻が始まってから、ゼレンスキー大統領が日本を含めたアジアを訪れるのは初めてになります。外交筋によりますと、ゼレンスキー大統領は、今回、広島訪問が実現した場合、原爆資料館を視察する方向で調整を進めているということです。

※19日の動きを随時更新してお伝えします。

《19日の動き 詳細》

日本政府 ロシアに追加制裁を科す方針固める

木原官房副長官は、G7広島サミットの初日のセッションでウクライナに関する首脳声明が発表されたのに合わせ、日本政府として、ロシアに対し追加の制裁を科す方針を固めたことを明らかにしました。

具体的には、新たに制裁の回避や、う回に関与したロシアの関係者など、およそ100の個人や団体を資産凍結の対象に追加します。

また、日本からの輸出を禁止する団体に、およそ80のロシアの軍事関連団体などを追加するほか、ロシア向けのサービスの提供を禁止する分野に建築とエンジニアリングを新たに加えることにしています。

22:30ごろ 核軍縮に関する声明「広島ビジョン」発表

午後10時半ごろ、G7広島サミットの核軍縮に関する声明「広島ビジョン」が発表されました。

ロシアによる核の威嚇を非難するとともに、中国の核戦力の増強への懸念を示し、世界の核兵器を減らし続けていくため、NPT=核拡散防止条約の体制を堅持することなどを明記しています。

22:15ごろ 岸田首相「G7の揺るぎない結束確認」

岸田総理大臣は、G7広島サミットの初日の日程を終えたあと、午後10時15分ごろから記者団の取材に応じました。

岸田総理大臣は「議長としてウクライナや、インド太平洋、核軍縮・不拡散を含む外交安全保障などについて議論を主導し、G7の揺るぎない結束を確認するとともに、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くことで一致できた」と成果を強調しました。

また、G7の首脳らと原爆資料館を視察したことについて「G7首脳とともに被爆の実相に触れ、これを粛然と胸に刻む時を共有した。核兵器のない世界への決意を世界に示す観点からも歴史的なことであったと考えている」と述べました。

首脳の配偶者ら 学生が平和考える催しに参加

G7広島サミットに合わせて来日した各国首脳の配偶者らが、19日、学生たちが平和を考える催しにゲストとして招かれました。

この催しは広島市中区の「おりづるタワー」で開かれました。

岸田総理大臣の妻の裕子夫人のほか、サミットのために訪日した各国首脳の配偶者がゲストとして登場すると、集まったおよそ100人の学生から拍手で迎えられました。

催しでは、平和公園にある「原爆の子の像」のモデル、佐々木禎子さんのおいの佐々木祐滋さんが講演し、禎子さんが病床で折り鶴を折り続けたエピソードや、平和への思いなどを語りました。

各国首脳の配偶者たちは、禎子さんが実際に折った折り鶴を紹介されると、身を乗り出すようにして見入っていました。

このあと、裕子夫人が学生たちを前に「小さな祈りでも集まれば世界を動かす力になると信じています。広島の若い世代から平和の祈りの輪が広がるよう願います」とあいさつしたほか、アメリカのバイデン大統領の妻のジル夫人も「未来は遠いゴールではなく、創るものです。自由で平和な世界を一緒につくっていきましょう」と語りかけていました。

クアッド首脳会合 20日に開催へ ホワイトハウス発表

アメリカのホワイトハウスは、G7広島サミットにあわせて開催が調整されていた、日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4か国の枠組み=クアッドの首脳会合が、20日に行われると発表しました。

ドイツ ショルツ首相「想像もつかない苦しみ」

ドイツ政府によりますと、原爆資料館を視察したショルツ首相は、資料館の芳名帳に「この場所は想像もつかない苦しみを思い起こさせる場所だ。きょう、私たちはパートナーとともに、全力で平和と自由を守るという誓いを新たにする」などと記帳したということです。

21:25ごろ 各国首脳を乗せた船 広島市 宇品島到着

G7広島サミットに出席している各国の首脳を乗せた船は、19日午後9時25分ごろ、メイン会場のホテルがある広島市の宇品島に到着しました。

ゼレンスキー大統領 インドのモディ首相と会談で調整

インドの首都ニューデリーにいる外交筋によりますと、G7広島サミットに出席するウクライナのゼレンスキー大統領は、広島でインドのモディ首相と、会談する方向で調整を行っているということです。

ウクライナとインドの両首脳が対面で会談を行えば、去年2月にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって以降、初めてとなります。

プーチン大統領 「制裁強まるほど社会の結束強固に」

ロシアのプーチン大統領は19日、ロシア南部で開かれた会議に出席し、「ロシア社会の全体に攻撃的な圧力がかかっている。経済や軍事、政治、情報面で強力な反ロシアのプロパガンダが展開されている」と述べ、欧米側を強く非難しました。

そのうえで「ロシアでは、ロシアに対する制裁や中傷が強まれば強まるほど、社会の結束が強固になってきた」と述べ、ロシアに対する制裁強化も話し合うG7広島サミットの開催を念頭に、欧米側をけん制したとみられます。

20:56 各国首脳乗せた船 宮島出発

G7広島サミットに出席している各国の首脳を乗せた船が19日午後8時56分ごろ、広島県廿日市市の宮島を出発しました。

バイデン大統領 途中退席 債務上限問題対応か

アメリカのバイデン大統領は、19日夜、宮島の旅館で夕食をとりながら行われていたセッションを、討議途中の午後8時前に退席し、宿泊先の広島市内のホテルに向かいました。

ロイター通信は、野党 共和党のマッカーシー下院議長らとの協議が続く、アメリカ政府の借金の上限、いわゆる債務上限問題について、報告を受けるためだと伝えています。

20:50 バイデン大統領乗せた車 広島市のホテル到着

アメリカのバイデン大統領を乗せた車は19日午後8時50分ごろ、宿泊先の広島市内のホテルに到着しました。

20:34「外交・安全保障」テーマとした討議終わる

午後8時34分、宮島の旅館で行われていた「外交・安全保障」をテーマとした、討議が終わりました。

20:30ごろ バイデン大統領乗せた車 広島市のヘリポート出発

アメリカのバイデン大統領を乗せた車が、19日午後8時半ごろ、広島市内のヘリポートを出発しました。

20:18 バイデン大統領 広島市のヘリポート到着

アメリカのバイデン大統領を乗せたヘリコプターは、19日午後8時18分ごろ、広島市内のヘリポートに到着しました。

バイデン大統領 討議の途中退席

アメリカのバイデン大統領は、宮島の旅館で行われていた「外交・安全保障」をテーマとした、討議の途中、退席しました。

中国「小さなグループつくることやめるよう求める」

G7広島サミットについて中国外務省の汪文斌報道官は19日の記者会見で「われわれはG7に対し、オープンな時代の大勢に順応し、脅迫外交や、閉鎖的で排他的な小さなグループをつくることをやめるよう求める」と述べ、各国をけん制しました。

また、サミットで中国の動きを念頭に、「経済的威圧」への対応がテーマとして扱われる見通しであることについて、「アメリカこそ国家の力を乱用して中国のハイテク企業を抑圧し、さらには5Gの設備を供給する中国企業と協力してはならないと他国を脅している」と述べ、アメリカを非難しました。

このほか、G7広島サミットでロシアに対する追加の制裁が話し合われたことについて、「中国は一貫して、国際法上の根拠がなく国連安全保障理事会の承認を経ていない一方的な制裁に反対している」と述べました。

林外相 米ブリンケン国務長官と会談

林外務大臣は、19日夕方、G7広島サミットにあわせて日本を訪れているアメリカのブリンケン国務長官とおよそ45分間、会談しました。

両外相は、日米同盟の抑止力と対処力の向上に向けた協力を着実に実施し、中国をめぐるさまざまな課題に連携して対応していくことで一致しました。

そして、林大臣が日本と韓国の首脳間の相互往来「シャトル外交」が本格化するなど、日韓関係の改善の動きが進んでいる状況を説明しました。

その上で、両外相は、北朝鮮の完全な非核化に向けて日米韓3か国の緊密な連携を確認しました。

被爆体験証言 小倉桂子さん「興味を持って聞いてもらった」

G7広島サミットで原爆資料館を訪れた各国の首脳に対して、みずからの被爆体験を英語で証言した、小倉桂子さん(85)は、「海外から来た人は原爆投下の瞬間について知りたいと思い、ぴかっと光ったとき、真っ白で何もみえない、爆風で立ってられず、地面にたたきつけられたということを伝えました。そのとき見たもの、心で感じたことをそのまま語りました」と話していました。

話を聞いた各国首脳の様子については「興味を持って聞いてもらい、かなり長く話をさせてもらいました。内容は言えませんが、質問もたくさんしてもらいました」と話していました。

その上で「互いに相手の話を聞きながら外交の力でロシアによるウクライナへの軍事侵攻をやめさせてほしいです。絶対に核を威嚇に使ってはいけない。核のない世界のために広島から一歩を踏み出す宣言をお願いしたいです」と話していました。

ワーキングランチのメニューは

G7広島サミットでは、首脳らが会議をしながら食事をとる、ワーキングランチやワーキングディナーの場が設定されていて、広島や瀬戸内のほか、全国からえりすぐりの食材を使った料理が提供されます。

このうち、初日のワーキングランチでは、前菜に
◇広島レモンを使ったサーモンのマリネや、ホタテ貝のコンフィなどが出されました。

また、
◇広島県産のメバルとムール貝、小豆島のオリーブなどを使ったアクアパッツアや、◇広島県産の「東広島こい地鶏」の、バロティーヌやもも肉ときのこの煮込みのパイ包み、それに
◇瀬戸内レモンと宮島はちみつを使ったセミフレッドもふるまわれました。

また、ディナーには、広島の地酒やワインなども提供されました。

G7広島サミット事務局は、首脳らの会議を食事で支えつつ、世界にむけて日本の食文化や食材をアピールしたいとしています。

首脳配偶者が参加「パートナーズ・プログラム」始まる

G7広島サミットの開催に合わせ、各国首脳の配偶者が参加する関連行事「パートナーズ・プログラム」も始まり、初日の19日は昼食会が開かれました。

岸田総理大臣の妻、裕子夫人が主催した19日の昼食会には、アメリカのバイデン大統領の妻、ジル夫人など各国の首脳の配偶者あわせて4人が参加しました。

一行は広島市西区の「上田流和風堂」を訪れ、地元広島の旬の食材を用いた懐石料理に舌鼓を打ちました。

続いて、香をたいて香りを楽しむ日本の伝統文化「香道」を体験したり、茶道の家元によるお点前を鑑賞したりして親睦を深めていました。

また、19日、一行はこれに先立ち、平和公園内の原爆資料館で記帳を行ったほか、慰霊碑に花を手向けて黙とうをささげました。

18:55 「外交・安全保障」テーマのセッション開始

午後6時55分、宮島の旅館で、「外交・安全保障」をテーマとした、3つ目のセッションが始まりました。このセッションでは、中国を含むインド太平洋情勢や核軍縮・不拡散などについて夕食をとりながら討議が行われます。

18:33 厳島神社で集合写真

午後6時33分、G7各国の首脳らは、宮島にある世界遺産の厳島神社を訪れ、大鳥居の前で集合写真を撮影しました。

18:00ごろ 首脳到着 宮島口にぎわう

海を挟んで広島県の宮島を見渡せる廿日市市の宮島口では、各国の首脳を乗せたヘリコプターや船を一目見ようと見物する人たちの姿が見られました。

宮島口の海沿いでは、午後5時すぎから地元の人たちなどが次々と訪れました。

そして、アメリカのバイデン大統領を乗せたヘリコプターや各国の首脳を乗せた船が宮島に到着した午後6時ごろには、カメラを構えたり、双眼鏡をのぞき込んだりして到着の瞬間を見届けました。

近所の50代の男性は、「地元に首脳が来る機会はめったにないので貴重な機会に立ち会えた。いい写真が撮れました」と話していました。

娘と一緒に訪れた40代の母親は「3月に大阪から引っ越してきて、大阪ではG20を見ることができたので、また見ることができてラッキーです。ライブ中継の映像はずっと見ていましたが、首脳が乗ったヘリや船を生で見られて感動しました」と話していました。

日本政府 ゼレンスキー大統領の出席踏まえ調整など急ぐ

ウクライナの政府高官が、ゼレンスキー大統領がG7広島サミットに対面で出席することを明らかにしたのを踏まえ、日本政府は、日程のつめの調整や警備態勢の確認などを急いでいます。

政府関係者によりますと、ゼレンスキー大統領は20日にも来日し、21日のウクライナ情勢に関する討議に、G7各国の首脳らとともに参加する方向で調整が進められているということです。

また、岸田総理大臣との首脳会談や原爆資料館の訪問なども検討されています。

一方で、日本政府は、19日夕方の時点でも、公式にはゼレンスキー大統領はオンラインでサミットに出席する予定だとしたままで、議長国として安全面で万全を期すため、情報保全を図る考えもあると見られます。

18:03 各国首脳 宮島に到着

各国の首脳を乗せた船は、午後6時3分ごろ、広島県廿日市市の宮島に到着しました。このあと、世界遺産の厳島神社を訪れることにしています。

17:30ごろ 各国首脳 宮島へ

午後5時半ごろ、G7各国の首脳らは、サミット会場の広島市のホテルを出て、高速船などで世界遺産の厳島神社がある宮島に向かいました。

「過去を思い出して希望の未来を共に描こう」伊 首相が記帳

フランス大統領府によりますと、原爆資料館を視察したマクロン大統領は、資料館の芳名録に「広島の犠牲者を記憶し、戦いに値する唯一の戦いである、平和のための行動をとれるかどうかは私たち次第である」と記帳したということです。

また、イタリア政府によりますと、メローニ首相は「きょう私たちは頭を下げて祈りの中で立ち止まる。闇には最後の言葉はなく、過去を思い出して希望の未来を共に描こう」と記帳したということです。

17:09 2つ目のセッション終了

午後5時9分、ウクライナ情勢をテーマとした、2つ目のセッションが終わりました。

松野官房長官「首脳に『禎子の鶴』」

松野官房長官は午後の記者会見で「G7首脳に被爆の実相に効果的に触れてもらいたいとの考えのもと、原爆資料館の主な展示テーマに即した形で重要な展示品を見ていただけるよう準備した」と述べました。

その上で「広島市の平和公園にある『原爆の子の像』のモデル、佐々木禎子さんが病床で折り続けた折り鶴『禎子の鶴』のストーリーを知っていただき、何点かの展示品について岸田総理大臣からも説明を行った」と明らかにしました。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領のサミット参加については「21日午前に新たに設けることになったG7首脳とゼレンスキー大統領によるウクライナセッションにオンラインで参加する予定だ」と述べました。

JR広島駅 交通規制で閑散 タクシー客も少なく

JR広島駅では交通規制で構内を出入りする人もまばらで、駅の北口にあるタクシー乗り場も客が少なく閑散としていました。

この乗り場ではふだんの平日の午後3時ごろは50台ほどが待機してやってきた人を次々乗せて発車しているということですが、19日は待機しているタクシーが15台ほどとふだんより少ないうえ、客が乗るまでに30分以上待つ車両もあったということです。

広島駅構内タクシー協会の大橋秀雄さんは「交通規制により台数を減らしたタクシー会社も多いのですが、それでもきょうはお客さんがかなり少なく、待機する車両ばかりです。コロナの感染が拡大していたときと同じくらい人が少ないと感じます」と話していました。

15:47 ウクライナ情勢テーマの2つ目のセッション開始

午後3時47分、ウクライナ情勢をテーマとした、2つ目のセッションが始まりました。ウクライナのゼレンスキー大統領が日本を訪問し、サミット最終日に対面で出席すると海外メディアで報じられたことを受けて、首脳間でもやりとりが交わされるか注目されます。

ウクライナ政府高官 大統領の日本訪問明らかに

ウクライナ政府で安全保障を担当する国家安全保障・国防会議のダニロフ書記は19日、公共放送のインタビューに対し、ゼレンスキー大統領がG7広島サミットに出席するため日本を訪問すると明らかにしました。

その上でダニロフ書記は「非常に重要なことがサミットで決まる。ウクライナの利益を守るためにもゼレンスキー大統領が現地に行くことが重要だ」と述べ、サミットに出席する意義を強調しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領が来日し、G7広島サミットに参加するという情報を受けて、広島で取材しているウクライナのテレビ局の記者、ドミトロ・アノプチェンコさんは「来日するということでとてもうれしいです」と話していました。

その上で「日本を訪れることはとても意味のあることで、アメリカのバイデン大統領など、G7の首脳たちと電話ではなく、直接会って話をすることは大きな成果になると思います。反転攻勢にはさらなる支援が必要です。ウクライナへの支援について議論が進むことを望みます」と期待を述べました。

また、グローバル・サウスと呼ばれる新興国や途上国の首脳とも接触する機会があることについて「直接会ってウクライナの現状を知ってもらうことがとても重要だと思います」と話していました。

15:25 韓国 ユン・ソンニョル大統領 広島空港に到着

G7広島サミットに出席する韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領を乗せた専用機が午後3時25分ごろ、広島空港に到着しました。

広島市にある韓国総領事館によりますと、韓国の現職大統領が広島市を訪れるのは初めてです。

原爆資料館 滝川館長「視察は大変有意義」

G7広島サミットで各国の首脳が原爆資料館を訪れことについて滝川卓男館長は「G7首脳がそろって視察したことは大変有意義だったと思う。G7首脳の発信力は強く、それぞれの国民に平和に対するメッセージを発信してもらいたい」と話していました。

一方で、ウクライナのゼレンスキー大統領がG7広島サミットに出席するため日本を訪問することについて「被ばくの実相をあらゆる国に発信し、核兵器廃絶と世界恒久平和を願うヒロシマの心に寄与するのが役目だと思っている。スケジュールの調整はあると思うが、広島に来られるなら、原爆資料館の視察を組み込んでいただきたい」と話していました。

15:05 世界経済めぐる最初のセッション終了

午後3時5分、デジタルや貿易を含めた世界経済をめぐる最初のセッションが終わりました。討議では、急速に普及が進む、ChatGPTなど「生成AI」の利用や規制のあり方をめぐっても意見が交わされたものとみられます。

JR上野駅 ゴミ箱の投入口封鎖 コインロッカーも使用停止

JR上野駅ではゴミ箱の投入口が封鎖され、使用ができなくなっているほか、コインロッカーにも使用の停止を知らせる紙がはられていました。

また、駅の構内を警察官がパトロールし不審物が置かれていないか確認していました。

サミットにあわせて警視庁は警戒レベルを引き上げ、各地に多くの警察官を配置して不審な兆候がないか確認を続けるなど厳戒態勢で警備にあたっています。

過去に海外で開かれたサミットでは、会場から遠く離れた首都でテロが発生したケースもあり、サミットの期間中は、首都・東京でもテロへの警戒が強化されています。

13:44 最初のセッション始まる

午後1時44分、G7広島サミットは、広島市のホテルで「分断と対立ではなく協調の国際社会へ」をテーマに最初のセッションが始まりました。昼食をとりながら、デジタルや貿易などを含む世界経済をめぐって討議が行われます。

冒頭、議長の岸田総理大臣は「みなさんを私の地元の広島に迎えられてうれしく思う。広島は静かで波平らかな瀬戸内海に囲まれた街だ。このような静かな環境で世界が直面するさまざまな課題について、G7らしい率直かつ戦略的な議論を行いたい」と述べました。

また「世界は今、気候危機やパンデミック、ロシアによるウクライナ侵略といった複合的な危機に直面している。基本的な価値を共有するG7は、国際社会の重要な課題に効果的に対応し、世界をリードしていかなければならない」と強調しました。そして「サミット全体を通じての大きなテーマは分断と対立ではなく、協調の国際社会の実現に向けたG7の結束の確認と役割の強化で、そのための積極的かつ具体的な貢献を打ち出すことだ」と述べました。

ゼレンスキー大統領 “サミットに対面出席” 欧米メディア報道

イギリスの経済紙フィナンシャル・タイムズなど複数の欧米メディアは、関係者の話として、ウクライナのゼレンスキー大統領が来日し、G7広島サミットに対面で出席すると伝えました。ロシアによる軍事侵攻が始まってから、ゼレンスキー大統領が日本を含めたアジアを訪れるのは初めてになります。

一方、外交筋によりますと、ウクライナのゼレンスキー大統領は、今回、広島訪問が実現した場合、原爆資料館を視察する方向で調整を進めているということです。

広島市内の国際メディアセンターで取材しているドイツの新聞社の男性記者は「安全上の観点からゼレンスキー大統領が日本に来るのは簡単ではないと思っていたため、ニュースを見て驚いた。訪日が実現すればG7のウクライナへの強い連帯を示す象徴的なできごととなる」と話していました。

また、イタリアの公共放送の男性記者は「ゼレンスキー大統領が実際に訪日すれば、国際社会により強いメッセージを届けることができる。民主主義を脅かす陣営に対し、G7の首脳が結束し、ウクライナの支援に当たっていくことを再確認する場になるだろう」と話していました。

12:37 岸田首相 宇品島に入る

岸田総理大臣を乗せた車は午後0時37分ごろ、サミットのメイン会場のホテルがある広島市の宇品島に入りました。

12:30ごろ 宇品島 検問所の沿道で近隣住民が各国首脳を歓迎

G7広島サミットの会合が開かれる宇品島に続く道に設けられた検問所の沿道では、近隣の住民が各国の首脳らが乗った車に向かって手を振ったり、スマートフォンで撮影したりしていました。イタリアのメローニ首相やカナダのトルドー首相が車の中から手を振って応えている様子が確認できました。近くに住む40代の女性と中学生の親子は「表情は、はっきり見えませんでしたが、優しく笑いながら手を振ってくれたと思います。テレビで見る人たちなので記念になりました」と話していました。

12:27 岸田首相 平和公園を出発

岸田総理大臣を乗せた車は午後0時27分ごろ、広島市の平和公園を出発しました。

各国の首脳が原爆資料館を訪問したことについて、日本被団協=日本原水爆被害者団体協議会の田中煕巳代表委員は「中での様子が公開されなかったので詳しいことは分からないが、資料館に滞在した時間の中で首脳たちは何か感じることがあったと思う。原爆慰霊碑に献花したあと、広島市の松井市長から説明も受けており、広島への原爆投下について何らかの印象を与えることができたのではないかと思う」と話していました。

一方で「核兵器に対する考え方を変えてもらうためには時間をかけて見てもらう必要があると思うが、今回は時間が十分にとられたとは言えず、もったいないし残念だという気持ちだ」と心境を述べました。

英 スナク首相「深く感動した 過去から学ぶことが大事」

イギリスのスナク首相は広島市の平和公園を訪れたあと、ツイッターに「非常に重要な意義を持つ平和公園を訪れ、深く感動した。今回のサミットは歴史の重みを背負っている。私たちは最も暗い時期を含む、過去から学ぶことが大事だ」と書き込みました。

12:07 広島市長から説明

午後0時7分、各国の首脳らは広島市の平和公園で松井一実市長から説明を受けました。原爆慰霊碑や原爆ドームなどについて説明を受けたものとみられます。

12:06 集合写真を撮影

午後0時6分、広島市の平和公園で各国の首脳らによる集合写真の撮影が行われました。

被爆者らは…

広島県被団協の箕牧智之理事長と被爆者の田中稔子さんはG7各国の首脳が平和公園を訪れた様子をテレビで視聴しました。

箕牧さんは、各国首脳の原爆資料館の視察がおよそ40分だったことについて「時間が短いのではないか。この時間でたくさんのものを見られるわけがないし、惨状が分かったというところまではいかないのではないか」と話しています。その上で「記帳をしたり被爆者の証言を含めてどれが何分だったか詳細なことを知りたい。何をどれくらい、どんな気持ちで見たか感想を聞きたい」と話していました。

田中さんは、アメリカのバイデン大統領が原爆資料館から出てきた時の表情について「随分深刻な、痛ましい顔をしていたので、バイデン大統領の心には、原爆の惨状が以前より響いてるのではないかと感じました」と話していました。また「被爆者の話は原爆を目の前で見た人の話です。首脳たちには、その話を心に政治をしてほしい。世界から核兵器をなくす方向に動かしてほしい」と話しています。

12:05 原爆慰霊碑に献花

午後0時5分、各国の首脳らは広島市の平和公園で原爆慰霊碑に献花を行いました。

12:01 原爆資料館の視察終える

午後0時1分、各国の首脳らは原爆資料館の視察を終え、資料館を出ました。このあと平和公園の原爆慰霊碑に献花を行うことにしています。

11:40ごろ 交通規制で路面電車が動けず

広島市内では各国首脳の移動にあわせて道路の交通規制が行われ、路面電車の運行にも影響が出ています。平和資料館から500メートルほど離れた電停では路面電車が、道路の通行止めの影響を受けて運行できない状態になり、3両の車両が連なって、団子状態になって停車しています。

広島市の50代の女性は「これから中心部の病院に向かう途中でしたが、急に動かなくなったので電車をおりて、徒歩で向かうことにしました」と話していました。

11:25 交通規制で郵便配達員足止め

平和公園周辺の道路では大規模な交通規制が行われ、郵便の配達員が警察官に通行を止められる様子も見られました。

配達員は「事前に交通規制に関する情報収集はしましたが、この時間にこの場所で通行止めが行われるとは思いませんでした。配達が遅れないか心配です」と話していました。

11:21 首脳ら 原爆資料館へ

午前11時21分、岸田総理大臣とG7各国の首脳らがすべて原爆資料館に入りました。このあと館内を視察することにしています。
各国の首脳が原爆資料館を訪問したことについて、ICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンの国際運営委員を務める川崎哲さんは「非常に意義深いことだと思う。展示は凄惨(せいさん)なものも多いが目をそらさず一つ一つ見ていただきたい」と述べました。

一方で、資料館内の訪問の様子が公開されないことについては「開かれた形で見学があれば、なおよかった」とした上で「首脳の到着までにも時間がかかっているので、時間をむだにせずたくさんの展示をしっかり見てもらいたい」と話していました。

弁当店は仕入れ半減で品薄 「あなご飯」残り1つ

サミット開催に伴う交通規制を見越してJR広島駅近くにある弁当店は、仕入れの量をふだんより減らしたため、午前中には早くも品薄状態となっていました。

広島市内ではサミットの開催に合わせて臨時休業を決めた飲食店や土産物店があるほか、営業を続けている店でも交通規制で物流に影響が出ることを見越して仕入れを減らす動きが出ています。

このうちJR広島駅近くにある弁当や総菜を扱う店舗では、本社からの配送の回数をふだんの3分の1に減らしたため陳列できる商品の量も半減したということです。

その結果、午前10時半の時点で人気商品の「あなご飯」が残り1つになるなど、すでに品薄の状態となっていました。

店を訪れた50代の女性は「商品が少なくて残念です。サミットの影響がお弁当にまで及んでいるとは思いませんでした」と話していました。

店長の野本誠一さんは「品薄状態が続いているので急きょ、本社に追加の配達を頼みました」と話していて、あす以降は商品の量を増やす対応をとるということです。

11:10 バイデン大統領 宿泊先ホテルを出発

アメリカのバイデン大統領を乗せた車は午前11時10分ごろ、宿泊先の広島市内のホテルを出発しました。

11:02 立ち入り制限の宮島 店舗は閑散 臨時休業も

18日から立ち入りが制限されている宮島に渡る廿日市市の宮島口のフェリーターミナル周辺の店では客の姿は少なく、臨時休業の貼り紙をしている店もみられました。このうち、フェリーターミナル近くで名物のあなご飯を提供する創業120年余りの飲食店は、19日も営業を続けていましたが、ふだんは多くの客でにぎわう午前11時ごろ客の姿は少ない様子でした。

従業員の女性は「この時期は多くの観光客でにぎわい、こんなにお客さんが少ないことはほとんどなく、コロナ禍のときよりも少ないくらいかもしれません」と話していました。

客の中には、立ち入り制限を知らずメキシコから訪れた観光客もいて、通訳ガイドのボランティアに店を案内してもらって、あなご飯を楽しんでいる姿もみられました。

10:30ごろ フェリーターミナルで外国人観光客戸惑う

各国の首脳が訪れる予定の宮島では、18日から立ち入りの制限が行われています。宮島に渡るフェリーのターミナルでは、制限を知り戸惑う外国人観光客の姿がみられました。

このうち、日本各地を観光しているスペインからの4人組の観光客は、嚴島神社がある宮島を訪れる予定でしたが、立ち入り制限を知り、今後の予定を通訳ガイドのボランティアと相談していました。

ボランティアらは県内各地で交通規制などが行われていることを説明したうえで、およそ30キロ離れた山口県岩国市にある錦帯橋などのパンフレットを見せて紹介していました。

スペイン人の女性は「制限があることはまったく知らなかった。初めて広島に来たが、どこも見られなくて残念。案内してもらったところのどこかに行けたらいいな」と話していました。

10:28 岸田首相と裕子夫人 各国の首脳ら出迎え

午前10時28分、広島市の平和公園で岸田総理大臣と裕子夫人によるG7各国の首脳らの出迎えが始まり、G7広島サミットが開幕しました。

平和公園は厳戒態勢

09:00ごろ
G7広島サミットは、岸田総理大臣が広島市の平和公園で各国の首脳らを出迎えて開幕します。

平和公園は原爆ドームの周辺も含めて18日の正午から立ち入りが制限されていますが、19日朝から公園周辺の道路での通行規制も行われ厳戒態勢となっています。

このうち平和大通りの周辺では午前8時過ぎから歩道と車道の間に柵が置かれ、警察官が車の運転手に通りに入らないよう求めたり、歩道を歩いている人に横断しないよう呼びかけたりしていました。

70代の男性は「バイデン大統領の乗った車が見られるのではないかと思って足を運びました。 今回の広島でのサミットが、これからの平和の維持につながるように期待したいです」と話していました。

また、50代の女性は「勤務先に着けるように少し早めに出ましたが規制が始まっていました。何かあってはいけないので、しかたがないことだと思います」と話していました。

10:18ごろ 岸田首相 平和公園に到着

岸田総理大臣を乗せた車は19日午前10時18分ごろ、広島市の平和公園に到着しました。

10:12ごろ 岸田首相 宇品島を出る

岸田総理大臣を乗せた車は19日午前10時12分ごろ、サミットのメイン会場のある広島市の宇品島を出て、広島市中心部に向かいました。

10:01 日仏首脳会談 終了

午前10時1分、広島市のホテルで行われていた岸田総理大臣とフランスのマクロン大統領による首脳会談が終わりました。これで岸田総理大臣は、広島サミット開幕前に、G7各国の首脳すべてと個別に会談を行ったことになります。

30分余り行われた会談の冒頭、岸田総理大臣は、情勢が悪化したアフリカ・スーダンから日本人が待避する際のフランスの協力に重ねて謝意を伝えました。その上で「サミットでは法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持、強化を力強く打ち出したい」と述べました。

そして、両首脳はロシアに対する制裁とウクライナ支援を継続するとともに、サミットの成功に向けた緊密な連携を確認しました。また、自衛隊とフランス軍の共同訓練の実施やサイバー、宇宙分野での連携などを進めていくことでも一致しました。

10:00 立ち入り制限で警察官の同行のもと宅配

立ち入りが制限され通行も規制されている広島市の平和公園の周辺には、基本的に住んでいる人以外は立ち入ることはできませんが、宅配業者などは入ることができます。

午前10時ごろに訪れた宅配業者の男性は警察官の同行のもと配達する場所を伝えながら、マンションなどに荷物を届けていました。

9:40 EUミッシェル大統領 “中国との安定した関係必要”

G7広島サミットに参加しているEU=ヨーロッパ連合のミシェル大統領はきょう午前、記者会見を行いました。

この中で「EUとしてはウクライナが反転攻勢に向け必要とする武器や弾薬をよりはやく供与できるよう、取り組んでいる。またロシアの軍事行動を止めるためにも抜け穴を埋めることに力を注いでいる」と述べ、午後行われるセッションのなかでウクライナ支援やロシアへの制裁に関する議論が加速することに期待を示しました。

一方、中国に関しては「中国との建設的で安定した関係は共通の利益にかなう。中国には国際社会のなかで特別な責任があり、国際ルールに従わなくてはならない。そして、ロシアに対して軍事行為を止めるよう圧力をかけてもらいたい」として、中国にロシアのウクライナ侵攻を終わらせるための役割を果たすよう求めるとともに経済面を含めて中国との安定した関係を持つことの重要性を強調しました。

09:30ごろ 家庭ゴミも金属探知機で確認

広島市中区光南の各国首脳の車列が通る道路の脇では、家庭ゴミの周囲にも赤いコーンが置かれ、念のため警察官がゴミを金属探知機で確認する様子が見られました。

09:24 日仏首脳会談 始まる

午前9時24分、広島市のホテルで、岸田総理大臣とフランスのマクロン大統領による首脳会談が始まりました。

09:19 日独首脳会談 終了

午前9時19分、広島市のホテルで行われていた岸田総理大臣とドイツのショルツ首相による首脳会談が終わりました。

冒頭、岸田総理大臣は「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持強化に向けたG7の議論を牽引したい」と述べました。

その上で両首脳は、G7の議論ではとりわけグローバル・サウスと呼ばれる新興国や途上国との連携が重要だとして、協力して取り組んでいくことで一致しました。

そして、ウクライナ情勢をめぐり、ロシアに対する制裁と強力なウクライナ支援に加え、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くという、G7の決意を力強く世界に発信していく考えで一致しました。

一方で両首脳は東アジア情勢についても意見を交わし、中国をめぐるさまざまな課題や北朝鮮の核・ミサイル開発や拉致問題への対応などで引き続き緊密に連携していくことを確認しました。

08:42 日独首脳会談 始まる

午前8時42分、広島市のホテルで、岸田総理大臣とドイツのショルツ首相による首脳会談が始まりました。

08:34 日本カナダ首脳会談 終了

午前8時34分、広島市のホテルで行われていた岸田総理大臣とカナダのトルドー首相による首脳会談が終わりました。

両首脳は、サミットでG7の揺るぎない結束を世界に示すため、日本とカナダ両国でも連携していく方針を確認しました。また、東アジア情勢についても意見を交わし、中国をめぐる諸課題に加え、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応で協力していくことで一致しました。

08:04 日本カナダ首脳会談 始まる

午前8時4分、広島市のホテルで、岸田総理大臣とカナダのトルドー首相による首脳会談が始まりました。

07:51ごろ フランス マクロン大統領 広島空港に到着

G7広島サミットに出席するフランスのマクロン大統領を乗せた専用機が19日午前7時51分ごろ、広島空港に到着しました。これで今回のサミットに出席するG7の首脳は、すべて広島に到着しました。