ウクライナのゼレンスキー大統領は、サウジアラビアで開かれているアラブ連盟の首脳会議に出席して英語でスピーチを行いました。
このなかでゼレンスキー大統領は、軍事侵攻を続けるロシアを改めて非難した上で、「ロシアが多くの兵器を手にしていた時でさえ、私たちは打ち負かすことができた」と述べ、今後も欧米側の軍事支援を受けながら戦い続けると強調しました。
また、「平和を尊重する皆さんには戦争による苦しみや悪を減らすよう行動してほしい」と述べ、ロシア軍の撤退など、ウクライナが和平に向けて掲げる10の項目に対する支持を訴えました。
【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(19日の動き)
ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる19日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
ゼレンスキー大統領 アラブ連盟の首脳会議でスピーチ
ゼレンスキー大統領 インドの首相と会談を調整
インドの首都ニューデリーにいる外交筋によりますと、G7広島サミットに出席するウクライナのゼレンスキー大統領は、広島でインドのモディ首相と会談する方向で調整を行っているということです。
ウクライナとインドの両首脳が対面で会談を行えば、去年2月にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって以降、初めてとなります。
ウクライナとインドの両首脳が対面で会談を行えば、去年2月にロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって以降、初めてとなります。
プーチン大統領「制裁や中傷強まれば結束強まる」
ロシアのプーチン大統領は19日、ロシア南部で開かれた会議に出席し「ロシア社会の全体に攻撃的な圧力がかかっている。経済や軍事、政治、情報面で強力な反ロシアのプロパガンダが展開されている」と述べ、欧米側を強く非難しました。
そのうえで「ロシアでは、ロシアに対する制裁や中傷が強まれば強まるほど社会の結束が強固になってきた」と述べ、ロシアに対する制裁強化も話し合うG7広島サミットの開催を念頭に欧米側をけん制したとみられます。
そのうえで「ロシアでは、ロシアに対する制裁や中傷が強まれば強まるほど社会の結束が強固になってきた」と述べ、ロシアに対する制裁強化も話し合うG7広島サミットの開催を念頭に欧米側をけん制したとみられます。
プーチン大統領 軍事技術関連の記念日に祝電
ロシア大統領府は19日、プーチン大統領がロシアの軍事技術関連の記念日にあわせて軍需産業や退役軍人に向けて祝電を送ったと明らかにしました。
このなかでプーチン大統領は「ロシアは、世界市場において兵器や軍備の分野でリーダー国としての地位を維持し続けている。アメリカなど欧米側が前例のない制裁を科しているが、ロシア軍の装備品などを大量に輸出している」としてアメリカなどを批判し、軍需産業に関わる人たちの功績をたたえました。
そして「あなた方の活動がロシアの国際的な地位と影響力を強化し、同盟国やパートナーとの友好や信頼関係を作っている」と強調しました。
ただ、ロシアの軍需産業をめぐっては、ウクライナ情勢を受けて欧米諸国が制裁を強化する中、精密誘導ミサイルなどに使われる半導体の輸入が制限されるなど、兵器や装備品の製造で影響が出ていると指摘されています。
このなかでプーチン大統領は「ロシアは、世界市場において兵器や軍備の分野でリーダー国としての地位を維持し続けている。アメリカなど欧米側が前例のない制裁を科しているが、ロシア軍の装備品などを大量に輸出している」としてアメリカなどを批判し、軍需産業に関わる人たちの功績をたたえました。
そして「あなた方の活動がロシアの国際的な地位と影響力を強化し、同盟国やパートナーとの友好や信頼関係を作っている」と強調しました。
ただ、ロシアの軍需産業をめぐっては、ウクライナ情勢を受けて欧米諸国が制裁を強化する中、精密誘導ミサイルなどに使われる半導体の輸入が制限されるなど、兵器や装備品の製造で影響が出ていると指摘されています。
G7首脳 ウクライナ侵攻で声明発表 ロシアへの追加制裁など
G7広島サミットでウクライナに関する首脳声明が発表されました。
ロシアに対する追加の制裁として、輸出制限の対象を侵攻に重要なすべての品目に拡大できるよう行動し、ウクライナにできるだけ早く永続的な平和をもたらすためあらゆる努力を払うとしています。
サミットは、19日午後、ウクライナ情勢をテーマにした討議が行われ、首脳らは、議論の成果をまとめた声明を発表しました。
声明では、ロシアによるウクライナ侵攻について、不当で、国連憲章違反のいわれのない侵略戦争であり、食料とエネルギーの安全保障などで弱い立場の国に影響が出ていると指摘したうえで最も強いことばで非難するとしています。
そして、ロシアに対してすべての軍を即時、かつ無条件に撤退させるよう求め、永続的な平和の実現はロシア軍の撤退なしには実現できないと強調しています。
さらに、核兵器をめぐっては、去年ロシアも参加したG20サミットで「核兵器の使用、もしくは使用の脅しは容認しない」などとした首脳宣言を採択したことに触れています。
また、ロシアへの制裁については、輸出制限の対象を戦場で使用されているものを含め、侵攻に重要なすべての品目に拡大できるよう行動し、製造や建設、輸送などの従事者を制裁対象に加えるとしています。
さらに、ロシアが制裁を逃れる動きを防ぎ、第三国がG7のこうした取り組みに関与することを奨励するとしています。
さらに、ロシアのエネルギーへの依存度を下げ続けることや、ロシアが金属やダイヤモンドから得る収入を削減するよう取り組むことも盛り込んでいます。
そして「平和の象徴」である広島から、G7がすべての政策的な手段を動員しウクライナにできるだけ早く永続的な平和をもたらすため、あらゆる努力を払うことを誓うと結んでいます。
ウクライナ政府の高官は、ゼレンスキー大統領が来日し、G7広島サミットに対面で出席することを明らかにしていて、議長国を務める日本として、この声明を踏まえウクライナとの強い連帯を確認したい考えです。
ロシアに対する追加の制裁として、輸出制限の対象を侵攻に重要なすべての品目に拡大できるよう行動し、ウクライナにできるだけ早く永続的な平和をもたらすためあらゆる努力を払うとしています。
サミットは、19日午後、ウクライナ情勢をテーマにした討議が行われ、首脳らは、議論の成果をまとめた声明を発表しました。
声明では、ロシアによるウクライナ侵攻について、不当で、国連憲章違反のいわれのない侵略戦争であり、食料とエネルギーの安全保障などで弱い立場の国に影響が出ていると指摘したうえで最も強いことばで非難するとしています。
そして、ロシアに対してすべての軍を即時、かつ無条件に撤退させるよう求め、永続的な平和の実現はロシア軍の撤退なしには実現できないと強調しています。
さらに、核兵器をめぐっては、去年ロシアも参加したG20サミットで「核兵器の使用、もしくは使用の脅しは容認しない」などとした首脳宣言を採択したことに触れています。
また、ロシアへの制裁については、輸出制限の対象を戦場で使用されているものを含め、侵攻に重要なすべての品目に拡大できるよう行動し、製造や建設、輸送などの従事者を制裁対象に加えるとしています。
さらに、ロシアが制裁を逃れる動きを防ぎ、第三国がG7のこうした取り組みに関与することを奨励するとしています。
さらに、ロシアのエネルギーへの依存度を下げ続けることや、ロシアが金属やダイヤモンドから得る収入を削減するよう取り組むことも盛り込んでいます。
そして「平和の象徴」である広島から、G7がすべての政策的な手段を動員しウクライナにできるだけ早く永続的な平和をもたらすため、あらゆる努力を払うことを誓うと結んでいます。
ウクライナ政府の高官は、ゼレンスキー大統領が来日し、G7広島サミットに対面で出席することを明らかにしていて、議長国を務める日本として、この声明を踏まえウクライナとの強い連帯を確認したい考えです。
英国防省「貨物列車脱線でロシア軍の物資など輸送中断の可能性」
ロシアが一方的に併合しているウクライナ南部クリミアで今月18日に起きた貨物列車の脱線についてイギリス国防省は19日、クリミアに駐留するロシア海軍の黒海艦隊への物資や巡航ミサイルなどの輸送が中断する可能性があると分析しました。
その上で、現地の鉄道当局が外部による妨害工作だと主張していることを踏まえ「この微妙な地域での妨害工作はロシアのプーチン政権の懸念をいっそう強めるだろう。クリミア半島は、ロシアがウクライナでの戦争を可能にする上で心理的、物理的に重要な役割を担っている」と指摘しています。
その上で、現地の鉄道当局が外部による妨害工作だと主張していることを踏まえ「この微妙な地域での妨害工作はロシアのプーチン政権の懸念をいっそう強めるだろう。クリミア半島は、ロシアがウクライナでの戦争を可能にする上で心理的、物理的に重要な役割を担っている」と指摘しています。
ウクライナ政府官高 ゼレンスキー大統領の日本訪問を明らかに
ウクライナ政府で安全保障を担当する国家安全保障・国防会議のダニロフ書記は19日、公共放送のインタビューに対し、ゼレンスキー大統領がG7広島サミットに出席するため日本を訪問すると明らかにしました。
その上でダニロフ書記は「非常に重要なことがサミットで決まる。ウクライナの利益を守るためにもゼレンスキー大統領が現地に行くことが重要だ」と述べ、サミットに出席する意義を強調しました。
その上でダニロフ書記は「非常に重要なことがサミットで決まる。ウクライナの利益を守るためにもゼレンスキー大統領が現地に行くことが重要だ」と述べ、サミットに出席する意義を強調しました。
G7広島サミット きょう開幕 ウクライナ情勢でも意見かわす見込み
G7広島サミットが19日に開幕します。議長国・日本は、ロシアや中国の動向を踏まえ、法の支配に基づく国際秩序の維持・強化に向けてG7の結束を示したい考えです。
日本では7年ぶりとなる主要7か国の首脳会議、G7広島サミットは19日から3日間の日程で開かれます。
午前中、議長を務める岸田総理大臣が広島市の平和公園で各国の首脳らを出迎え、そろって原爆資料館の視察などを行ったあと、午後から本格的な討議に入ります。
21日までの期間中、招待国の首脳らが参加するものも含めて10のセッションが行われ、世界経済やウクライナ情勢、それに、核軍縮・不拡散や食料・エネルギー問題などをめぐって意見が交わされます。
岸田総理大臣としては、ウクライナ侵攻を続けるロシアや覇権主義的な行動を強める中国の動向を踏まえ、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けて、G7の結束を示したい考えです。
日本では7年ぶりとなる主要7か国の首脳会議、G7広島サミットは19日から3日間の日程で開かれます。
午前中、議長を務める岸田総理大臣が広島市の平和公園で各国の首脳らを出迎え、そろって原爆資料館の視察などを行ったあと、午後から本格的な討議に入ります。
21日までの期間中、招待国の首脳らが参加するものも含めて10のセッションが行われ、世界経済やウクライナ情勢、それに、核軍縮・不拡散や食料・エネルギー問題などをめぐって意見が交わされます。
岸田総理大臣としては、ウクライナ侵攻を続けるロシアや覇権主義的な行動を強める中国の動向を踏まえ、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けて、G7の結束を示したい考えです。
ロシア軍がミサイル攻撃も迎撃
ウクライナ軍のザルジニー総司令官は18日、ロシア軍があわせて30発に上るミサイル攻撃を仕掛け、このうち29発を迎撃したほか、無人機2機を撃墜したと発表しました。
多くを迎撃した形ですが、東部ドネツク州のキリレンコ知事は、ミサイル攻撃によって1人が死亡したとSNSで明らかにしました。
ウクライナでは16日も首都キーウなど各地で集中的なミサイル攻撃があったばかりで、ウクライナが反転攻勢に乗り出す構えを示す中、ロシア軍は今月に入ってミサイルや無人機による攻撃を繰り返しています。
多くを迎撃した形ですが、東部ドネツク州のキリレンコ知事は、ミサイル攻撃によって1人が死亡したとSNSで明らかにしました。
ウクライナでは16日も首都キーウなど各地で集中的なミサイル攻撃があったばかりで、ウクライナが反転攻勢に乗り出す構えを示す中、ロシア軍は今月に入ってミサイルや無人機による攻撃を繰り返しています。
激戦地バフムト ウクライナ側が徐々に前進と認識
ドネツク州の激戦地バフムトをめぐってウクライナ側は郊外で徐々に前進し、反撃が進んでいるという認識を示しています。
こうした中、ロシアの民間軍事会社ワグネルの代表、プリゴジン氏は18日、正規軍の部隊が後退しているとSNSで主張し、ショイグ国防相などに対して「脇が崩れないよう力を尽くしてほしい」と訴えました。
ロシア国防省は18日、ショイグ国防相が国内の演習場で、欧米の兵器に対抗した実践的な訓練を行う兵士を視察したとする映像を公開しましたが、ワグネル側の訴えには反応しておらず、統制の乱れが続いています。
こうした中、ロシアの民間軍事会社ワグネルの代表、プリゴジン氏は18日、正規軍の部隊が後退しているとSNSで主張し、ショイグ国防相などに対して「脇が崩れないよう力を尽くしてほしい」と訴えました。
ロシア国防省は18日、ショイグ国防相が国内の演習場で、欧米の兵器に対抗した実践的な訓練を行う兵士を視察したとする映像を公開しましたが、ワグネル側の訴えには反応しておらず、統制の乱れが続いています。
ゼレンスキー大統領 南部クリミア奪還の姿勢 改めて示す
ウクライナのゼレンスキー大統領は18日、首都キーウでの式典で演説し「ロシアが何をしようと、その侵略は打ち砕かれる。クリミアであろうとほかのどの地域であろうと奪うことはできない。ここはわれわれの故郷だ」と述べ、2014年にロシアが一方的に併合した南部クリミアを奪還する姿勢を改めて示しました。
そのうえで「クリミアの返還なくして平穏な国際関係と国際法の完全な力の回復はないことを、より多くの国の指導者が認識するようになった」と強調しました。
この日は、少数民族のクリミア・タタール人が、第2次世界大戦中に、当時のソビエト政府によってクリミアから民族ごと強制移住させられ、犠牲になった人たちを追悼する日にあたります。
ゼレンスキー大統領は犠牲者の追悼式典で演説したもので、関係者を前に「われわれのクリミアで、祖父母の温かい思い出や子どもたちの笑顔がある中で皆が会える時が来ると確信している」と述べました。
そのうえで「クリミアの返還なくして平穏な国際関係と国際法の完全な力の回復はないことを、より多くの国の指導者が認識するようになった」と強調しました。
この日は、少数民族のクリミア・タタール人が、第2次世界大戦中に、当時のソビエト政府によってクリミアから民族ごと強制移住させられ、犠牲になった人たちを追悼する日にあたります。
ゼレンスキー大統領は犠牲者の追悼式典で演説したもので、関係者を前に「われわれのクリミアで、祖父母の温かい思い出や子どもたちの笑顔がある中で皆が会える時が来ると確信している」と述べました。