負傷したウクライナの兵士2人 自衛隊病院で受け入れへ 防衛相

ウクライナ支援をめぐって、浜田防衛大臣は、ウクライナのコルスンスキー駐日大使と会談し、来月、足を切断するけがを負った兵士2人を日本の自衛隊病院に受け入れる方針を伝えました。防衛省・自衛隊が外国の負傷兵を受け入れるのは初めてです。

浜田防衛大臣は18日午後、防衛省でウクライナのコルスンスキー駐日大使と会談しました。

この中で、浜田大臣はロシアによるウクライナ侵攻によって両足切断と右足切断のけがをそれぞれ負った20代のウクライナ兵士2人を来月中に東京 世田谷区にある自衛隊中央病院に受け入れる方針を伝えました。

受け入れはウクライナ政府からの要請にもとづくもので、防衛省・自衛隊が外国の負傷兵を受け入れるのは初めてです。

治療期間はリハビリの期間を含めて1か月から2か月で、1人あたりの費用は入院費や義足をつくる費用、それに渡航費などをあわせて220万円から420万円程度と見積もっていて原則、日本側が負担することにしています。

負傷したウクライナ兵の受け入れはヨーロッパを中心に20か国以上で行われていて、防衛省は「国際社会と緊密に連携しながらウクライナを支援する一環であり、人道的な観点から意義がある」としています。

2人を受け入れる自衛隊中央病院とは

負傷したウクライナの兵士を受け入れる自衛隊中央病院は、東京 世田谷区の陸上自衛隊三宿駐屯地の中にあります。

全国に11ある自衛隊病院の中核として「最終後送病院」に位置づけられていて、有事や災害時には、けがなどの程度が重い患者を収容して高度な治療を実施することになっています。

29の診療科と500の病床を備え、一般の外来診療も行っていて、新型コロナウイルスの感染拡大の際には、感染症指定医療機関として患者の受け入れなども行ってきました。

防衛省によりますと、今回受け入れるウクライナの兵士2人については義足や車いすで日常生活を送れるようリハビリが行われる見通しだということです。