タイ 総選挙で第1党の前進党 連立政権樹立目指し他党と協議

9年前のクーデター以降、軍に近い政権が続くタイで、先の総選挙で第1党となった革新系の野党「前進党」が、ほかの野党などと協議を行い、連立政権の樹立を目指し、調整をすすめていくことになりました。ただ、前進党とほかの政党は政策面で隔たりがあり、政権づくりに向けては交渉の行方が焦点となります。

タイで今月14日に行われた総選挙では、軍の影響力排除などを掲げる革新系の野党「前進党」が最も多い議席を獲得して第1党に、タクシン元首相派の最大野党「タイ貢献党」が第2党となりましたが、どの政党も単独での過半数には届かず、連立交渉の行方が注目されています。

こうした中、前進党のピタ党首は、18日、首都バンコクでタイ貢献党など7つの政党の代表と記者会見し連立政権の樹立を目指し、近く、各党と覚書を結ぶ方向で調整を進めることを明らかにしました。

ピタ党首は「私たちには勢いがあり、連立政権は形になりつつある。政権を樹立できると確信しているが、詳細については交渉中だ」と述べ、連立政権の樹立に自信をみせました。

連立交渉は、まずは第1党となった前進党が主導権を握るとみられますが、王制改革を公約に掲げる前進党と、改革には慎重なタイ貢献党などと立場の隔たりがあります。

このため、前進党が中心となって野党が結集し、政権交代となるのかどうか、交渉の行方が焦点となります。