国連事務総長 “唯一の戦争被爆国 日本のリーダーシップ期待”

G7広島サミットにあわせて、広島を訪れる国連のグテーレス事務総長は、サミットの主要な議題の1つとなる核軍縮や不拡散について、「核保有国が、いかなる状況でも核兵器を使用しないことを確認すべきだ」と述べ、ロシアによる核の脅威が高まる中、唯一の戦争被爆国である日本がリーダーシップを発揮することに期待を示しました。

グテーレス事務総長は、G7広島サミットにあわせて広島を訪問し、テーマ別の会合などに参加する予定で、これに先立ち16日、国連本部で日本メディアとの会見に応じました。

この中で、サミットの主要な議題の1つとなる核軍縮・不拡散について、「今こそ核軍縮を再び活性化させるよう訴えるべきだ。核保有国が、いかなる状況でも核兵器を使用しないことを確認すべきだ」と述べ、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻で核の脅威が高まる中、G7として強いメッセージを打ち出すべきだという考えを示しました。

そして、被爆地、広島でサミットが開催される意義に触れ「日本には、この分野で道徳的な権威がある」と述べ、唯一の戦争被爆国である日本がリーダーシップを発揮することに期待を示しました。

また、グテーレス事務総長は、気候変動対策を話し合う会合に参加する予定で「G7のリーダーは、世界で最も裕福な国の大部分を代表しており、特別な責任がある」と指摘し、G7各国は、温室効果ガスの排出量を削減するだけでなく、途上国を経済面や技術面で支援するべきだとして、より踏み込んだ対応を求めていく考えを示しました。