経営破綻の米銀行元CEO“預金引き出しの速さ 予測不可だった”

ことし3月に経営破綻したアメリカのシリコンバレーバンクの元CEOが議会上院の公聴会で証言し、「従業員や顧客、株主に本当に申し訳ない」と陳謝した上で、預金の引き出しの速さと規模は歴史上、前例がないもので、予測することはできなかったという認識を示しました。

「シリコンバレーバンク」は西部カリフォルニア州に拠点を置き、スタートアップ企業向けの融資で知られていましたが、3月10日に経営破綻しました。

CEOを務めていたグレッグ・ベッカー氏は16日、議会上院の委員会の公聴会で証言し、「従業員や顧客、株主に甚大な影響を与え本当に申し訳ない」と陳謝しました。

その上で、中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会が「インフレは一時的であり低い金利が続く」というメッセージを出していたため、大規模な金融緩和などで急増した預金を安全な資産であるアメリカ国債などで運用していたと説明しました。

しかし、急速な利上げの影響で保有していたアメリカ国債などの価格が下落し売却によって損失が出たことを発表して以降、SNSなどを通じて経営悪化に関するうわさや誤解が一気に広まり、「3月9日には1秒間におよそ100万ドル、10時間で420億ドルもの預金が引き出された」と述べました。

そして、この預金の引き出しの速さと規模は歴史上、前例がないもので、予測することはできなかったという認識を示しました。