去年 世界で少なくとも883人に死刑執行 人権団体が報告書

国際的な人権団体「アムネスティ・インターナショナル」は、世界各国の死刑制度についての報告書を発表し、去年1年間で中東などを中心に少なくとも883人に死刑が執行されたと指摘しました。

16日に発表された報告書によりますと、去年1年間に世界では少なくとも883人に死刑が執行されたということです。

これは、死刑に関する情報を公開している国の統計や人権団体の情報などをまとめたものですが、過去5年間では最も多い人数となっています。

国別では、執行数の多い順に
▽中東のイランが少なくとも576人
▽サウジアラビアが196人
それに
▽エジプトが24人などとなっていて、
上位3か国だけで全体のおよそ9割を占めています。

このうちイランについては前の年と比べて83%増加していて、報告書では「当局は政治的抑圧の手段として死刑を利用し続けた。少数民族への差別や抑圧の一環で過度な死刑執行を続けた」と指摘し、懸念を示しています。

また、アメリカでの死刑執行は6つの州で18人、日本は1人でした。

このほか中国について、報告書は「執行件数を公表していないが年間数千人に死刑が執行されているとみられる」としていて、中国政府に情報を公開するよう改めて求めました。