
“AIで権利侵害” クリエーターの9割超が不安 業界団体の調査
AIを使って作られたコンテンツが次々に生み出されていく中、クリエーターを対象に業界団体が行ったアンケート調査で、9割を超える人が「AIによる権利侵害に不安がある」と回答したことが分かりました。
アンケートはAIの急速な普及を受けて、俳優や音楽家などで作る日本芸能従事者協会が、今月8日からインターネット上で実施しているものです。
協会は15日、今月14日の時点で、イラストレーターを中心に声優や漫画家など、2万5560人が回答した中間結果を公表しました。
それによりますと「AIによる権利侵害などに不安がある」とした人が94%余りに上り、「仕事が減少する心配がある」と回答した人も58%余りいました。
具体的な権利侵害としては
▽画風を盗用されたといったもののほか
▽公表した漫画がAIが学習するデータとして勝手に使われていた
▽2次利用を禁止して公開した自分の声が、AI加工のモデルとして無断で販売されたなど、作品が無断でAIに利用されたと訴える声が多く寄せられました。
そして回答者の4分の1余りが「法律による規制」を求めているほか、
▽著作権者に対する使用料の支払い
▽AI生成物の商業利用の停止などを求める意見も寄せられ、多くのクリエーターが危機感を強めている現状が浮き彫りになりました。
アンケートを行った協会の代表理事を務める俳優の森崎めぐみさんは「特にイラストレーターが仕事を奪われているという声が多く、政府に要望していく必要性を改めて感じている」と話していました。