ウクライナ軍側“バフムトで前進中” ロシア軍は指揮官2人死亡

ロシアが侵攻を続けるウクライナ東部のバフムトを巡り、ウクライナ側の現地司令官は「われわれの軍は前進していて、これは最初の成功だ」と評価し、領土奪還に向けて反撃を続けていく考えを強調しました。

ウクライナ東部ドネツク州でロシア側が掌握を目指してきたバフムトではウクライナ側が反撃を行っていて、ウクライナ陸軍のシルスキー司令官は15日、SNSで「バフムトでわれわれの軍が前進している。これは防衛作戦のなかで攻撃面での最初の成功だ」と評価しました。

そのうえで「まだ部分的な成功にすぎない」として、領土奪還に向けて反撃を続けていく考えを強調しました。

ウクライナのマリャル国防次官も14日に「バフムト郊外で10か所以上の敵の陣地をおさえた。激戦が続いている」と指摘しています。

ロシア国防省は14日、バフムトや近郊での戦闘で指揮官2人が死亡したとも発表し、このうち1人については「敵の攻撃を撃退するさなかに複数の砲弾を受けた」としています。

一方、ロシア軍は13日夜から14日にかけて、ウクライナ各地をイラン製の無人機やミサイルで攻撃していて、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は14日「反転攻勢を実施しようとするウクライナ軍の能力を低下させるための新たな作戦の可能性が高い」としてウクライナ側の大規模な反転攻勢に備えたものだという分析を示しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は14日、ロシアによる軍事侵攻以降初めて訪れたドイツで「ことし中にロシアの敗北を決定づけることができる」と述べて、欧米側の軍事支援を背景に反転攻勢を成功させることに自信を示していて、ウクライナ軍の動向が焦点となっています。

ウクライナ南部や東部で攻撃相次ぎ8人死亡

ウクライナ南部のヘルソン州や東部ハルキウ州の当局は14日、各地でロシア軍による住宅などへの攻撃が相次ぎ、これまでに合わせて8人が死亡したと明らかにしました。

このうちヘルソン州の当局はSNSへの投稿で、州内ではロシア軍による攻撃が86回に及び、住宅街にも被害が出たと明らかにし、これまでに6人が死亡し、3人がけがをしたとしています。

また、東部ハルキウ州のシネグボフ知事もSNSへの投稿で、州内の複数の住宅がロシア軍の砲撃を受け、市民2人が死亡したと明らかにしていて、各地で住宅への被害が相次いでいます。